読後に心がじんわり温かくなる物語。

 読んで良かったと、心から思える物語です。童話的な物語の中に、家族とは? 生きるとは? という命題が上手く組み込まれていて、心に響きます。この作品の中軸として狐と少女が出てきます。少女が家族を失う一方で、狐は家族を得ます。こうした対比構造も巧く取り入れられていて、よく練られた作品であると分かります。それなのに全く押し付けがましくなく、スラスラと読むことが出来ました。作者様の文章力の賜物だと思います。
 罠や銃、野生動物の考証も優れていて、物語に現実味を与えています。メッセージ性も確立していて、ダイレクトに心に刺さります。
 この物語に出会えたことを感謝します。
 是非、是非、ご一読ください。

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