生きることは、苦しさの中に、光を探すこと。

あるきっかけで出会った、少女と銀狐の子。
少女が、狐を罠から救った。
その出会いは、わずかな時間のことだったけれど——

救った少女と救われた狐は、それぞれに、ただひたすらに、目の前の日々を生きる。
彼らの前に立ち現れるのは、この上なく苦い現実。

そして、自然の中で強く育った雄狐と、ある揺るがぬ決意を胸に抱いた少女は、再び出会う。
ともすれば一瞬で消えるかもしれない「命」を、強烈に燃やしながら。


生きることは、苦しみ。
その苦しみの中から、手探りで光を探すこと。
何としてでも、その光を手繰り寄せること。

読み終えた後、そんな強烈な余韻がいつまでも胸に残る、ずっしりと深い重みのある物語です。

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