少女と銀ぎつね。それぞれの生きるさまが描かれている。そして――

自然に生きる銀ぎつねと、父親を亡くし新しい父親に暴力を受けている少女の視点が、交互に展開していきます。
一人と一匹の接点は、罠にかかったきつねを、少女が助けた、というところ。
しかし、そこからお互いが仲良くなって……というようなお話ではなく、一人と一匹はそれぞれの生を歩んでいきます。
一人と一匹のそれぞれの生きるさまを興味深く読み進めつつ、お互いまたいつか出会うのだろうかと思いながら、惹かれていきました。

そして終盤、少女は、読んでいて胸の苦しくなるような葛藤をします。
この盛り上がりは個人的に大好きで、胸がぎゅうぅっとなりました。
そして少女は――
銀ぎつねは――

ぜひ、一人と一匹をあなたの目で見守ってみてください。

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