真木柱 その四十二への応援コメント
>この私が邪魔をして中止させているのを、帝もけしからぬ二心であるようにおとりになり、大臣たちも不愉快にお思いになるだろう。
いや、実際、あんたが何もかんも悪いんやし……。
>その年は男踏歌があったので
この男踏歌というのは、前も出てきましたね。
以前にもここにコメントしたと思いますが、これは年始の宮廷行事で、歌のうまい男たちが帝の御前で祝詞を歌い、集団で舞うらしいです。
紫式部が『源氏物語』を執筆していた頃にはすでに廃止されていた年中行事です。おそらく紫式部の少女時代(?)にはまだ催されていたので、彼女は昔を懐かしみながら男踏歌のエピソードを書いていたかも知れません。
作者からの返信
>いや、実際、あんたが何もかんも悪いんやし……。
私はこの翻訳を初めて髭黒の大将の好感度がストップ安ですよ。
真木柱 その三十三への応援コメント
女房たちも仕える主君が違うからバラバラになっちゃうのか……。平安時代の一家離散は大変やなぁ……(白目)
今回はそんな女房二人の和歌ですね。
まず、中将のおもとの歌から。
浅けれど石間の水は澄みはてて
宿もる君やかけ離るべき
(髭黒の大将さまとは遣り水の石の間を流れる水のように浅い関係のはずの召人のあなたがここに残り、この屋敷を守るべき北の方さまが立ち去るなどということがあってよいのでしょうか)
ただの召人(兼愛人)である木工の君が屋敷に残り、正妻の北の方が屋敷を去らねばならない悲哀を歌っているわけですね。
次は、木工の君の返歌です。
ともかくも岩間の水の結ばほれ
かけとむべくも思ほえぬ世を
(何はともあれ、私の胸は岩間の水が凍って滞ってしまうように悲しみのあまり塞がっています。私だって、この屋敷にそういつまでもとどまっていられるはずがありません)
自分が屋敷にとどまる後ろめたさから、「私もそのうち出て行くと思います」と詠んでいるわけです。
たぶん、北の方に対して申し訳ないという気持ちがあったのでしょうね(泣)
作者からの返信
悲しい歌が続く……。
これも平安貴族の宿命か。
真木柱 その三十二への応援コメント
悲しい話が続くでござる……(´;ω;`)
今回は、真木柱の姫君と北の方の和歌ですね。
まず、真木柱の姫君から。
今はとて宿離れぬとも馴れ来つる
真木の柱はわれを忘るな
(今日を限りにこの家を離れてしまっても、これまで慣れ親しんできたあなた――真木の柱は私のことをどうか忘れないでくださいね)
「真木」とは檜のこと。姫君はこの和歌を詠んだことにちなんで、「真木柱」と呼ばれることになります。
次は、母親の北の方の和歌。
馴れきとは思ひ出づとも何により
立ちとまるべき真木の柱ぞ
(真木の柱が、あなたのことを思い出してくれたとしても、私たちが今さらここにとどまるべき理由など何も無いのですよ)
まあ、「悲しいあなたの気持ちも分かるけれど、もうここにはいられないのよ」と娘に言い聞かせているのですな。
真木柱の和歌はとても意地らしくて哀れ……。深く印象に残る和歌です(>_<)
作者からの返信
(´;ω;`)
真木柱 その二十六への応援コメント
>「いったいどういう考えから、こんな女に手をつけたりしたのだろう」などと、思うだけなのだった。
はぁ……。マジでこの男最低ですわ。
前田さんのオリジナル展開で、牛車にでも轢かれておちん〇んもげちゃえばいいのに!!
というわけで、今回はチン毛黒の大将の和歌ですな。
憂きことを思ひ騒げばさまざまに
くゆる煙ぞいとど立ちそふ
(昨日の災難を思い出しつつ後始末などをしていると、くゆる煙のように後悔の念が出てくるものだなチンチン)
「くゆる煙」は、「燻ゆる」と「悔ゆる」を掛けているようですね。
和歌でもチンチンとか言っちゃうなんて、さすがはヤリチンなチン毛黒の大将!!
作者からの返信
アキラさんがご立腹であらせられる(笑)
しかし、最近翻訳してるとほんとうにこの髭黒の大将という男はどうしようもないですな。
株価はストップ安ですよ。
真木柱 その二十五への応援コメント
この木工の君というのは、髭黒の大将と肉体関係がある女房のようですね。
こんな時にでも「おっ、その目つき色っぽいな」とか思っちゃうのが男の性なんですかねぇ……(^_^;)
そして、今回はその木工の君が詠んだ和歌です。
ひとりゐてこがるる胸の苦しきに
思ひあまれる炎とぞ見し
(昨日あなたの衣が燃えたのは、見捨てられてもなお独りで恋い焦がれる北の方の、その苦しい胸の内におさえきることのできない想いの炎のせいなのだと私は考えています)
……と、まあ北の方の孤独を代弁したわけですが、愛人という立場ゆえに放置されがちな自分の寂しさも同時に訴えているみたいですね。
髭黒のおっさんでもこんなに女性たちを泣かせているのだから、イケメン貴族たちはどれだけの女君たちを不幸にしてきたことか……。
特に光源氏とか、周囲の女性は死屍累々でしょうな。
作者からの返信
光源氏の栄光は多くの屍の上にあるんやなぁ……(言い方)
真木柱 その二十三への応援コメント
>加持の僧に打擲されたり、引き廻されたり、泣きわめきながら夜を明かした。
痛ましいなぁ……(;´Д`)
でも、これが六条の御息所だったら逆に髭黒の大将や玉鬘に災いを及ぼしそうですよね(白目)
今回は、髭黒のおっさんの和歌ですな。
心さえ空に乱れし雪もよに
ひとり冴えつる片敷の袖
(私の心さえ上の空になってかき乱れてしまったこの大雪に、ただ冷え切って片敷の袖の独り寝でありました)
「片敷の袖」というのは、独り寂しく寝ることを指します。昔は、共寝する男女がお互いの衣服を敷き交わして寝たそうです。なので、「片方だけの袖(自分だけの袖)で寝る」というのは恋人がいない夜を過ごすという意味になるわけです。
……もしかしたら、前にもこの解説はしたかも知れませぬ(^ω^)
作者からの返信
>でも、これが六条の御息所だったら逆に髭黒の大将や玉鬘に災いを及ぼしそうですよね(白目)
難しいところですね。
いや、まあ、このおっさんが全部悪いんですが。
真木柱 その八への応援コメント
>こんな女を他の男に手放してしまったとは、あまりにもひどい気まぐれだった
めっちゃ未練たらたらやな(笑)
母親の夕顔を抱いたのに、娘も抱きたいとか……。
今回は光源氏と玉鬘の和歌のやり取りですね。
まず、光源氏の和歌から。
おりたちて汲みは見ねどもわたり川
人の瀬とはた契らざりしを
(あなたとは深い仲にはならなかったけれど、三途の川をあなたが他の男と共に渡るとは約束しなかったはずですよ)
直訳のままだと意味が分かりにくいですが、「女性は死ぬと、最初に結婚した男性に背負われて三途の川を渡る」という俗信があったそうです。
だから、これは「あなたが、他の男と一緒に三途の川を渡る(つまり、結婚する)なんて……」と未練がましく詠っている歌ということになります。
次は、玉鬘の返歌。
みつせ川わたらぬさきにいかでなほ
涙の水脈の泡と消えなむ
(三途の川を渡る前に、どうにかして悲しみの涙川の泡となって消え失せてしまいたいです)
髭黒のおっさんにおんぶされて三途の川を渡るぐらいなら、生きている間に涙川の泡となって消えちゃいたい……。玉鬘の悲しみが如実に分かる悲嘆の歌です。
髭黒のおっさん、読者や登場人物の多くにショックを与えて……恐ろしいおっさんやでぇ……(白目)
作者からの返信
紫式部はおっさんに厳しくないか、基本的に(笑)
真木柱 その一への応援コメント
新章スタート!
と同時に、玉鬘がいきなり髭黒の大将に美味しく食べられていた!!!
この構成、凄いですよね……。普通の作家だったら、髭黒のおっさんが玉鬘を襲うシーンを事細かに書きますもん。あっさりさっぱり省略して、唐突に事の結果を物語の冒頭に記すんですから大胆というべきか……。
思い返せば、光源氏と藤壺の宮が禁断の関係になった経緯も紫式部は描写しなかったですからね。こんな読者の意表を突く構成、現代人の私たちですら驚くのだから、平安時代の人たちは読んでいてビックリしたんだろうなぁ……。
作者からの返信
なんでいきなりこんな展開になっとんねんんんんん!!
って思ったりしたでしょうなぁ。
まさに、策士。策士紫式部。
藤袴 その二十四への応援コメント
蛍兵部卿の宮だけは脈ありだったんですよね、玉鬘。それなのに、あんな髭黒にかっさらわれちゃうなんて……(´;ω;`)ウッ…
今回も和歌があるのですが……誰だよ、左兵衛の督って!! いきなり出て来て和歌詠んでんじゃねーよ!!(怒) 知らん奴に和歌を詠まれても困惑するわ!!
というわけで、なぜ登場したかも分からない左兵衛の督の和歌です。
忘れなむと思ふもものの悲しきを
いかさまにしていかさまにせむ
(あなたを忘れようと自分に言い聞かせるにつけても、そのことがひどく悲しい。この悲しみを私はいったいどうしたらいいのでしょうか)
そんな情感を込めて詠われても、ぽっと出の人物に感情移入なんてできないよ紫式部さん……(;´Д`)
お次は、玉鬘が蛍兵部卿の宮に贈った返歌です。
心もて光にむかふ葵だに
朝おく霜をおのれやは消つ
(自分から日の光の方へ顔を向ける向日葵でさえ、葉に置いた朝露を自分から消したりはしないのです。それなのに、私があなたのことを忘れることなどありません)
ここの「光にむかふ葵」というのは、向日葵(ひまわり)のことですね。
今まで男君たちの求愛を必死にかわしてきた玉鬘が、出仕を前にして蛍兵部卿の宮にだけはわずかに心を開くわけです。彼の愛を拒否していない……。
な の に ! ! !
そ れ な の に ! ! !
次巻の「真木柱」で衝撃的な展開がががががが!!!!!!
作者からの返信
次巻、「アキラ死す!」
デュエルスタンバイ!
藤袴 その二十三への応援コメント
最後の最後まで男君たちに言い寄られ続ける玉鬘さん(^_^;)
こんな乙女ゲーム的な立ち位置の彼女なのに、言い寄って来る男どもが曲者ぞろい&最後にくっついちゃうのが髭黒のおっさんという……(汗)
人生ってままならないですなぁ~。
というわけで、今回は玉鬘に言い寄る髭黒と蛍兵部卿の宮の和歌ですね。
まず、髭黒のおっさんの歌から。
数ならば厭ひもせまし長月に
命をかくるほどぞはかなき
(人並みの結婚できる身であったならば、この九月を忌む月だからと嫌いもしたでしょう。だが、私は、忌む月ゆえにあなたが出仕なさらない――この最後の機会を命がけで頼みにしています。それもまた儚いことです)
九月は忌む月なので玉鬘の帝への出仕はない。そんな今こそが玉鬘へアタックする最後のチャンス……。ああ、玉鬘ちゃんペロペロしたい!!
まあ、こんな感じで髭黒のおっさんは必死のご様子です。
次は、蛍兵部卿の宮の和歌ですね。
朝日さす光を見ても玉笹の
葉分の霜を消たずもあらなむ
(帝のご寵愛を受けることになったとしても、笹の葉の一枚ごとに置く霜のように儚い私のこともどうか忘れないでください)
「朝日さす光」は帝、「玉笹」が玉鬘、「霜」が蛍兵部卿の宮を指しています。
帝に愛される立場になっても私のことは忘れないでください……と愁訴しているわけですね。
髭黒と蛍兵部卿の宮の歌はずいぶんと対照的で、二人の人柄がよく表れていると思います。
作者からの返信
>ああ、玉鬘ちゃんペロペロしたい!!
まあ、こんな感じで髭黒のおっさんは必死のご様子です。
アキラさんの髭黒の大将のイメージがひどすぎる(笑)
いつか大将に狙われますよ。
藤袴 その十九への応援コメント
柏木「想い人が実の姉だった! ……気まずい!」
アキラ「想い人が実の姉だった! ……合法的に抱きついたり、頭なでなでしてもらえる! ヤッター!!」
ふぅ……。やはり、平安時代の人々と現代人の我々では物の価値観がかなり違いますなぁ……( ̄▽ ̄)
で、今回は柏木と玉鬘の和歌のやり取りですね。
まず、柏木から。
妹背山ふかき道を尋ねずて
緒絶の橋にふみまどひける
(我々が実の姉弟であったという深い事情を知りもしないで、恋文を送って叶いもしない恋の道に踏み迷ってしまったものですね)
「妹背山」は、大和の吉野川の両岸に向き合う妹山と背山のこと。古くから男女の間柄(または兄と妹)を言い表す時に使われている地名です。
緒絶(おだえ)の橋は、陸奥国にある橋のことで、万葉集にも載っているそうです。
妹背山と緒絶の橋、まったく違う離れた場所にある二つの地名を一つの和歌に入れることで、いかに自分が恋の道に踏み迷ってしまったかを表現しているのでしょう。
次に、玉鬘の返歌。
まどひける道をば知らで妹背山
たどたどしくぞ誰もふみ見し
(あなたが恋の道に迷っていらっしゃるとは気づかず、私たちは姉弟なのにどうしたらよいものやらとあなたの手紙を拝見していました)
「ふみ見」は、「踏みみ」と「文見」を掛けているようです。
私も困惑していたのですよ、と切り返しているわけですな。まあ、うっかり強硬手段で関係を結ばれちゃったりしたら近親相姦になるので、内心は色々と不安だったでしょうねぇ……。
作者からの返信
>ふぅ……。やはり、平安時代の人々と現代人の我々では物の価値観がかなり違いますなぁ……( ̄▽ ̄)
いや、我々って私たちまで巻き込まないでくださいよ(笑)
その価値観はアキラさんだけですな。
藤袴 その八への応援コメント
>実に不愉快で情けなくなったが
玉鬘さんは毎回不愉快な思いばかりしていて大変ですな……(;´Д`)
今回は夕霧と玉鬘の和歌のやり取りですね。
まず、夕霧から。
同じ野の露にやつるる藤袴
あはれはかけよかごとばかりも
(同じ大宮の孫という縁で、喪服を着ている二人なのですから、申しわけ程度でもいいから同情のお言葉をかけていただきたいものです)
「藤袴」は「藤衣(喪服)」のことを指しています。血縁者同士のゆかりの色としても、藤(薄紫)が使われているようです。
あと、「かごとばかりも」という言葉を使った古歌(東路の道の果てなる常陸帯のかごとばかりも逢ひ見てしかな)があり、このキーワードに反応して玉鬘は求愛の歌を贈られたのだと察するわけです。
次に、玉鬘の返歌。
尋ぬるにはるけき野辺の露ならば
薄紫やかごとならまし
(お近づきくださるのに縁遠い間柄だったのなら、この藤袴の薄紫もその口実になったでしょうね。……でも、私たちは同じ大宮の孫という間柄ではありませんか)
と、夕霧の求愛の歌を何とかかわしています。毎回、毎回、色んな人に求愛されて大変ね……。
>なんも気づかないふりをして
ここ、なにも気づかない、ではないでしょうか。
作者からの返信
もしかして、玉鬘は源氏物語で一番モテているのでは……?
誤字指摘ありがとうございます。
修正しました。
行幸 その三十九への応援コメント
前回の内大臣の恨みがこもった和歌に対して、光源氏が返歌をしたわけですが……。これはなかなか痛烈な切り返しですね。
よるべなみかかる渚にうち寄せて
海人もたづねぬ藻屑とぞ見し
(寄る辺もなく、このような場所に身を寄せていた哀れな姫君は、海人ですら探し求めてくれない藻屑のごとく、誰からも見つけ出してもらえない身の上だと思っていたのですよ)
この和歌の「藻屑」は玉鬘、「海人」は内大臣、「渚」は光源氏のことを指しています。
「なぜ玉鬘のことをすぐに教えてくれなかったのか」と恨んでいる内大臣に対して、「今の今まで夕顔の遺児であるこの子を真剣に探そうとしてこなかったあなたに、そんなことを言える筋合いがありますか?」と言い返したわけです。
このド正論に、内大臣はぐうの音も出ません。親としての役目を果たしていなかったのは確かなことなので、そこをツッコまれたら「確かにごもっともです」としか言えないわけですね……(^_^;)
あまり子宝に恵まれていない光源氏にしてみたら、「内大臣は、たくさん子供がいることの有り難さが分かっていない」という考えがあったのかも知れません。
……あれ? 今回は光源氏の味方っぽいこと言っているぞ、私?
たまにはこういうこともあるよね!!!
作者からの返信
ご乱心!
アキラ様、ご乱心でござる!!
行幸 その三十八への応援コメント
「今夜は玉鬘(そして亡き夕顔)の事情に関してはいっさいノーコメントで」と言われても、内大臣にしてみたら「そこが一番気になるところやん!!」という気持ちでしょうね。
で、今回はそんな内大臣の恨みがこもった和歌です。
恨めしや沖つ玉藻をかづくまで
磯がくれける海人の心よ
(ああ、恨めしいことです。磯隠れの海人のように、裳を着る今日この日まで源氏の君の元に隠れていた我が娘の心が)
言葉では娘の玉鬘を責めていますが、本音を言えば光源氏を責めたい気持ちでいっぱいだったのでしょう。
でも、この後で光源氏に返歌で逆に言い返されてしまいます……(^_^;)
>昔のことには一切触れませんもで
ここ、一切触れませんので、ではないでしょうか?
作者からの返信
内大臣の気持ちもわかりますな。
っていうか光源氏は責めていい気がする。
誤字指摘ありがとうございます。
修正しました。
行幸 その三十五への応援コメント
さあ来た! 末摘花の歌だぞ唐衣!!
わが身こそうらみられけれ唐衣
君が袂に馴れずと思へば
(我が身が恨めしくて仕方ありません。いつもあなたのおそばに置いてもらえないのだと考えますと)
末摘花は、毎回毎回、馬鹿の一つ覚えのように「唐衣」のキーワードを和歌に用います。まあ、「唐衣」という言葉があったら和歌っぽくなると思っているのでしょう。
この和歌のひどいところは他にもあって、玉鬘の祝儀のために贈った手紙の中に「恋の恨みの歌」を書くなんてものすごく場違い……(^_^;)
光源氏も「ちょっとは空気を読めよ」と言いたいわけです。
では、光源氏の返歌を見てみましょう。
唐衣また唐衣唐衣
かへすがへすも唐衣なる
(唐衣また唐衣唐衣! ひたすら繰り返し唐衣とおっしゃるのですね!)
ゲシュタルト崩壊しそうだよ! と、光源氏さんも切れる一歩手前のご様子。
さすがは末摘花さん、登場したらやっぱりギャグシーンになってしまう……( ̄▽ ̄)
作者からの返信
唐衣唐衣唐衣唐衣……。
唐衣って何だっけ?
行幸 その三十一への応援コメント
大宮にしてみたら、晩年に突然現れた孫娘ですからね。可愛いし、今後の彼女の人生が気がかりなのでしょう。
そして、久し振りに和歌登場。今回は大宮が玉鬘に送った歌です。
ふたかたにいひもてゆけば玉櫛笥
わが身はなれぬかけごなりけり
(源氏の君と内大臣、二人のどちらの子であっても、私にとっては深い縁でつながった孫娘なのですね)
「ふた方」とは、光源氏と内大臣を指します。つまり、あなたがどっちの子だったとしても、ばあやにとっては可愛い孫娘なんですよと伝えているわけです。
玉鬘にここまで純粋な愛情を示してくれたのは大宮が初めてなんじゃないのかな?
……でも、このあとの文章で光源氏が大宮のこの手紙をこきおろすのが何とも…・…(^_^;)
作者からの返信
孫はいくつになってできても可愛いものでしょうね。
私は孫どころか子供もできるかどうか怪しいですけどね!
真木柱 その五十二への応援コメント
>こうまで厳重に警備するとは、うるさくてならない。いくら近衛の官人だといっても
これは、髭黒の大将(役職が近衛の大将)を玉鬘の警護役にたとえて、「髭黒の奴、めっちゃうざい」と言っているわけですな。うん、本当にうざい……。
今回は、大魚を逃して残念無念の冷泉帝の和歌と玉鬘の返歌ですな。
まず、冷泉帝から。
九重に霞隔てば梅の花
ただかばかりも匂ひ来じとや
(幾重にも霞によって隔てられてしまえば、梅の花はその香りすら匂ってはこなくなるだろうね。君の警固役の妨害で、あなたとほんのちょっとでも逢う機会はもうないのだろうか)
「九重(ここのえ)」は、「宮中」「幾重にも」という意味がふくまれています。髭黒の大将の邪魔だてを心底疎ましく思っているのでしょう。
次に、玉鬘の返歌。
かばかりは風にもつてよ花の枝に
立ち並ぶべき匂ひもなくとも
(香りだけは風の便りでお送りくださいませ。宮廷の他の花々の枝のように美しく建ち並ぶことができることなどできない私ではありますが)
「花の枝に立ち並ぶべき匂ひなくとも」というのは、帝の他の素晴らしい奥様たちに比べたら私は見劣りしますが……と卑下しているわけですな。
髭黒のおっさんのせいで、みんな不幸。ここ最近、光源氏への悪口も忘れて、髭黒のおっさんを罵ってばかりいる……(;´Д`)
作者からの返信
ここに来て嫌な男ランキングで髭黒のおっさんが光源氏に肉薄してきましたね……。
汚名返上のチャンスは来るのだろうか。