柏木「想い人が実の姉だった! ……気まずい!」
アキラ「想い人が実の姉だった! ……合法的に抱きついたり、頭なでなでしてもらえる! ヤッター!!」
ふぅ……。やはり、平安時代の人々と現代人の我々では物の価値観がかなり違いますなぁ……( ̄▽ ̄)
で、今回は柏木と玉鬘の和歌のやり取りですね。
まず、柏木から。
妹背山ふかき道を尋ねずて
緒絶の橋にふみまどひける
(我々が実の姉弟であったという深い事情を知りもしないで、恋文を送って叶いもしない恋の道に踏み迷ってしまったものですね)
「妹背山」は、大和の吉野川の両岸に向き合う妹山と背山のこと。古くから男女の間柄(または兄と妹)を言い表す時に使われている地名です。
緒絶(おだえ)の橋は、陸奥国にある橋のことで、万葉集にも載っているそうです。
妹背山と緒絶の橋、まったく違う離れた場所にある二つの地名を一つの和歌に入れることで、いかに自分が恋の道に踏み迷ってしまったかを表現しているのでしょう。
次に、玉鬘の返歌。
まどひける道をば知らで妹背山
たどたどしくぞ誰もふみ見し
(あなたが恋の道に迷っていらっしゃるとは気づかず、私たちは姉弟なのにどうしたらよいものやらとあなたの手紙を拝見していました)
「ふみ見」は、「踏みみ」と「文見」を掛けているようです。
私も困惑していたのですよ、と切り返しているわけですな。まあ、うっかり強硬手段で関係を結ばれちゃったりしたら近親相姦になるので、内心は色々と不安だったでしょうねぇ……。
作者からの返信
>ふぅ……。やはり、平安時代の人々と現代人の我々では物の価値観がかなり違いますなぁ……( ̄▽ ̄)
いや、我々って私たちまで巻き込まないでくださいよ(笑)
その価値観はアキラさんだけですな。
玉鬘の美貌と複雑な事情に翻弄される男性たち…読み応えはありますが、玉鬘の気持ちを考えると可哀想にも思います。
こちらで和歌の解説をなさっている青星明良様と青星様のコメント欄でやりとりさせて頂いたのですが、博識で和歌の解説も分かりやすく助かっています。
私が最後に源氏物語を読んだの、もう20年位前なので…色々忘れているので💦
前田様の訳は分かりやすく世界にも浸れるのでいつも没頭しちゃいます。
青星様は藤裏葉からコメントされていないそうで残念ですが、こちらでお知り合いになれて感謝しております(´▽`)
作者からの返信
青星明良(アキラ)さんはかなりの歴史通ですね。
今でもいろいろな歴史の小説を書いているのでとてもすばらしい小説家です。
いろいろと至らないところが多い訳ですがいつも読んでいただいてありがとうございます!