概要
地の文なしで寿司屋を訪れた彼を繊細に書ききった迷作
※寿司券10,000円分を貰えたら普段から迷惑をかけているおかーちゃんに美味い寿司を食わせてやろうと思っています。
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今年で三十歳になるぼくは、付き合って五年目になる恋人のナオミと一緒に、二人の家から車で一時間ほどの田舎町にある高級すし店を訪れた。
いっぱしの大人というには、ぼくはまだ幼いのかもしれない。
だがせっかく三十歳の節目となる年なのだから、一度くらいは一人前の大人が食べる高級寿司を食べてみたかったのだ。
物語は、期待に胸を高鳴らせたぼくとナオミが、店ののれんをくぐるところから始まる。