こたつに入ってみかんを食べたりしながらだらだら過ごす部活、それがこたつ部。
暖隆くんと陽奈先輩のゆるゆるとした雰囲気の中で進むお話ですが、時々変な人が来たり変なことが起こったりして大変なことになったりします。何が起こってもこたつ部の時間はゆるゆると過ぎていき、暖隆くんはそれを日誌に書いていきます。
永遠に続いてほしいなぁと思うくらい、穏やかで優しい時間。それをこたつ部のメンバーがそれぞれの気持ちで受け止めている。その様子が、読むほどにとても愛おしく感じられます。
楽しい展開やキャラクターに笑いながら、ほっこり、あたたかな気持ちになれる。こたつに入ってだらだらする時のような幸せな気持ちになれる作品だと思いました。大好きです。
こちらと全く同じようでどこか違う不思議な世界、そしてこたつ。
本作は冬のひと時だけこたつでだらだらするという高校の部活の日常を綴ったものです。主人公の暖隆(あたたか)君は隙だらけなボクっ娘の陽奈(ひな)先輩という最高の存在とともにこの部活を満喫します。奇妙な人達が出てきて、気になるモンハンの新作が出てきて、降り積もる雪を窓から眺めて……こんなに楽しい冬があるでしょうか。ただ穏やかなだけでなく、毎回笑わずにはいられないシチュエーションやギャグが繰り広げられちゃんとオチてと、この日々に飽きることはありません。
そう、飽きることはありません。この日々には陽奈先輩の卒業というはっきりした区切りがあるのです。先輩の愛らしさについては読んでいただけばすぐわかりますが、暖隆君とのじゃれ合いは、見ていてこたつをひっくり返してやりたくなるぐらいにやきもきします。ニヤニヤと笑いながら気付けば二人の仲や、作品の後、寒さはいつしか終わって気付けば雪解け、卒業式後の世界まで思いを巡らしている。この作品の魅力は、冬という終わりと始まりを意識させる時間をこれ以上ないほど上手く使っているところにあるのです。
冬にはこの小説を読んで心を暖めて、そうでないときはこんなに暖かい冬を夢見る為に、どうぞ一度読んでみてください。
古来から伝わるこたつ、それは人々を魅了してやまない悪魔の家具。
これはそれに魅入られた者達のすこしふしぎな日常を描いた物語。
ところで、こたつに入っているとこう思わないだろうか。
「ああ、もっとだらだらしたい――」そう思ったら何をするか。
本を読むか、みかんの皮を剥いて食べるか、ゲームでも始めるか……そう、日々を社会にすり潰されている我々が求めるすべてがこの小説に凝縮されている。
ゲームが発売されればやりたいなぁ、面白い話があったら気になるなぁ、そこにいる暖隆君や陽奈先輩は我々の分身ではないかと言う程に当たり前の生活を送り、だらだらしている。
君もこたつ部に入ってぬくぬくしてみないか?
(ボクっ子陽奈先輩かわいい)
冬北高校の〝学校の七十七不思議〟のひとつ、冬の季節だけ活動する部活「こたつ部」の活動内容は、その名の通り「こたつでぬくぬくすること」。そんな「こたつ部」で可愛い先輩とまったり過ごす放課後タイムが和みました。
主人公・暖隆(あたたか)君の相方の陽奈先輩が実に可愛い。ミニスカとニーソックスが似合うボクっ娘で、いつも陽気な小話で笑わせてくれて、小柄で幼児体型のくせに年上の先輩風を吹かせるのだけれど、それでいてちょっと褒めるとすぐにデレて恋愛フラグが立ってしまうところが、チョロ可愛い。
ときたま学内の変わり者の生徒たちが訪ねてきては部室が賑やかになるが、いつもは二人だけでの部室でみかんを食べて、漫画を読んだり、ソシャゲしたり、ひとつひとつのエピソードは取るに足らない物語なのだけれど、飾らない日常の愛おしさに満ちていました。
何よりもこたつが素晴らしい。こたつがあればみんな幸せ! こたつ is GOD!
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)