少しいじわるばあさんの入った主人公

主人公リュークくん、というかリュークくんの中の人、結構きれやすいんですよね。言っていることは正論だけど、なにもそこまできれなくても、という場面が何回かあります。
それを痛快と見るか、胸を痛めるかは人それぞれだろうと思いますけど、権威に迎合しない軸があるのは面白いなと私は思いますね。
先生とか、親とか、上司とか、私たちは無意識に迎合しちゃうんですよね。言っている内容は別にしても「おまえのためを思って言っているんだぞ」みたいに言われたら、ああ、そうかって思ってしまう。
同じことを中学生や子供が言ったとして受け入れられるかどうかですよ。たぶん受け入れないと思います。
そこでもきちんと立ち止まって理詰めで反論できる、流されない主人公ってのは意外といないんじゃないでしょうか。
リュークくんはそれでいて誰に対しても切れたナイフみたいな態度をとるわけじゃなくて、ちゃんと理詰めで諭す、きちんとした大人から説教されるとかわいいくらい小さくなって反省しますよね。
リュークくんの言動で読んでいて読者はたぶん胸が騒ぐ思いをするでしょうけど、考えるチャンスにはなりますよね。
一筋縄ではいかないリュークくん、おすすめ主人公です。

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