戦闘パートや料理パート、ギャグパートなどのテンポやバランスが凄まじいくらいに整っていて、同じネタやお決まりの文句が多くあるが、まったくクドく感じない。
ここまでの長い作品だと最初は初心者的な所がありそうだが、1話目からセンスを感じる。
そして何より脱帽なのが、異世界の世界観、細かいところまでの設定、どれを取っても読んでいて納得する。
本当に異世界があって、そこの歴史を調べてるんじゃ無いのかと思う程の奥深さもある。
本当に作者さんは「天才」なんだと思う。
ラノベの塾があって、作者さんが講師なら間違いなく大人気な授業になるだろうと思う。
本当にセンスが良い。
最近は良作が多いけど間違いなく、この作品は頭ひとつ抜けてると俺は思う。
まず、とにかく読みやすい文体に筆者の底知れぬ文筆家としての能力の高さが伺い知れます。自称文学通を名乗る輩からなんとなく面白そうだから読んでみました、程度の読者まで満足させられる文章、中々書けるようで難しいものであることは自明の理ではありますが、見事にこの筆者はそれを両立させておられると感じます。各キャラクターの表情が目に浮かぶ様な描写、読み進める毎に「それからどうなるんだろう!」と期待の膨らむ展開に時間を忘れページをめくってしまい気付けば朝。。。もっともっと筆者の作品を読みたくてたまらなくなる、そんな物語と感じました。
冒険あり、領地運営あり、飯テロあり……と、異世界モノのテンプレ満載で、異世界モノ好きの方には読みごたえある物語だと思います。
個人的に、ハーレム物や主人公が成り上がって貴族になるという、“男の夢詰め込みました!”的なパターンは、正直、かなり嫌いなんですが、こちらの作品は、そこまでストレスを感じることなく読めるので楽しんでいます。
ハーレムに関しては、多少、寄生ヒロイン候補みたいなキャラは出てきますが、特に恋愛に発展したりしませんし、主人公を慕って仲間になる魅力的な男性キャラが一定数登場するので、そこまで違和感なく読めるところが良いのかもしれません。
成り上がって貴族になるパターンも、自由がなくなるイメージで苦手だったんですが、人を上手く使いながら領地運営をしつつも、「冒険者」という点を忘れず、世界を見て回りながら冒険する楽しみも、きっちりストーリーに盛り込まれているので、世界観が広がってワクワクしながら拝読しています。
あと、やはり主人公が良いですね。
特に、他の異世界モノにありがちな、終始「考え甘すぎるでしょ!」というストレスがないとこが個人的に気に入っています。
もちろん、多少の甘さはありますが、残酷な判断もしっかりとするキャラなので、読んでてスカッとするとこも、この作品の魅力。
男女問わずに楽しめる作品だと思うので、異世界トリップ、異世界転生モノがお好きでしたら、ぜひとも一読してみてください!