事実に裏打ちされた魅力。「遠野物語」+@の面白さ。

語り手の日常と平行してつむがれる「父」と「じじ」の物語が素敵で、一言一句大切に読ませていただきました。

雪が降り始めた日の閑散とした放課後の情景と、人命を奪いかねない雪山のダイナミックさ、「じじ」を救った火明かりと、蛍光灯につられて笑顔でやってくる生徒……ひとつひとつの事象が現代と過去の対比とともに語られていて、時間と空間を閉じ込めるような筆致に胸が高鳴りました。

これは私の勝手な感覚なのですが、柳田國男の「遠野物語」やNHKの「新日本風土記」に現代ドラマを加えたような、そこに暮らす方の貴重な体験+@の面白さがあじわえます。

じっくり、作品の世界に深く浸りたい方におすすめしたい短編です!