ボーイズダイアリー

作者 関川 二尋

110

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★★★ Excellent!!!

はじめに言いますがこの作品メチャメチャ面白いです。
関川さんの作品は2つ目ですが早くも関川ワールドにハマりつつあります。
SFなのだけど、取っ付きやすく誰もが理解しやすい。その一因はかみ砕かれて丁寧な文章にあると思います。読者をひきつけつつ、謎も残しつつ、綺麗に文章が展開していき、最後にはすっと気持ちよく終わる。なんでこんな面白い文章が書けるんでしょうね。
話の内容を少し述べますと幼くして母に捨てられた主人公のレンジ、弟のコトラ、そして二人を救ってくれたケンちゃんの送る物語です。貧困にあえぎ、少ない給料で雇われ身を粉にして働く。そんなある日、コトラの身に異変が起きて……。
子供十字軍を結成したり、捕まってしまったり。レンジの人生は波乱万丈ですが、同時に煌めきにも満ちていると思います。
それは支えてくれた多くの仲間がいたからです。出所した時レンジは自分に職がないことを焦りますが、周りの人たちの掛ける言葉がまた良い。周りの人たちはレンジという人間の可能性を信じていたのかもしれません。
人生にはつまらない瞬間や振り返りたくない瞬間もあると思いますが、彼らのように一生懸命生きることを思い出して、時には自分もまたムニャムニャなんだと思いながら日々を送っていければと思います。

 

★★★ Excellent!!!

 私はこの言葉に安堵したし、気持ちが軽くなった。
 大人という役割、子どもという役割。教師、医師、社長さん……。残酷でいい加減なようでいて、その役割に押しつぶされそうになることもある。
 でも結局は、みんなただのムニャムニャ。素人で手探りで頑張ってる。大人も子どもも。みんなで素直に認めあって、みんなで少しだけ助け合おう。
 すべての人がそうなれたら、それが人類というムニャムニャの進化といえるかもしれない。

★★★ Excellent!!!

主人公の少年「レンジ」は弟の「ツバサ」と共に母親から捨てられてしまいます。
そこで友人の浮浪少年「ケン」を頼って共に生きていくことを選択するのです。
家族を守るために仕事を覚え、時に悔しい思いをしたり、人に騙されそうになったり。
やがて「レンジ」は自分のするべきことは自分と同じように大人のために苦しめられている子供たちを助けることだと考えるようになります。

あらすじだけでは過酷な物語のように思えますが、主人公たちが前向きで明るいので暗い雰囲気はまるでありません。

少し荒唐無稽な展開もあるのですが、それを感じさせないくらいに登場人物の想いや作品内の雰囲気が情感をこめて描写されるので「こんな奇跡も起きるのだな」と納得させられるだけの説得力があります。

「ボーイズダイアリー」とあるとおり少年が成長していく日々を描いた物語ですが主人公たちは最終的には中年くらいに成長していきます。

しかし人は良くも悪くも大人になっても役割という「殻」の下に「少年」を隠し持っていて、あの頃のように自信を持って楽しく生きることを忘れてはいけないのだ、というメッセージがタイトルとストーリーに込められていると感じました。

感受性の大切さを忘れがちな大人のための現代の童話ともいえるかもしれません。
読みやすく、最後まで楽しむことができました。

★★★ Excellent!!!

本来の『平等』という言葉には――

「才能や能力、自分らしさを一人一人が思う存分発揮する」

という意味が込められている。どんな判断も比較もない、考え方も生き方も人それぞれ……それで良い。それが『平等』であると。

人は、つい誰かと比べて一喜一憂してしまうものです。作中でも、主人公のレンジが思い悩むシーンがありました。この悩みにとらわれている限り心が休まることはありません。そんなレンジを助け、気分を盛りたててくれるのがケンやコトラといったムニャムニャな仲間たち。彼らも、それぞれ得意な能力を存分に発揮して個性を光らせています。人よりも「良い、悪い」「できる、できない」「上だ、下だ」などと判断せず、運命に任せ切って生きる。誰もが『平等』に生きているなと感じさせてくれる作品です。

もちろん、作者様の才能や能力、そして作者様らしい筆づかいを存分に発揮しているハートフルな仕上がりになっていますよ☆

★★★ Excellent!!!

 冒頭を少しネタバレしますが、キリンを例にとった進化論の話から始まり、「お金に対する欲求が強まった→金の涙が流せるように進化した」で締めたくだりは、そのセンスに脱帽させられます。

 エピソードごとの内容を淡々と書き出していけば、どうしようもなく暗くて重い話にしか見えないんですが、主人公が終始明るく前向きな性格なので、逆に元気をもらえるような作品です。

★★★ Excellent!!!

物語の中には沢山の絶望があります。そして絶望は未来に繋がる希望に形を変えて、物語の中で呼吸する。

魅力的で個性が絶妙に描かれた登場人物達。
時には笑い、時にはドキドキさせられながら、彼らを追いかける時間のなんて幸せなこと。

物語を読み進める中で、私の中で響いていたメロディー。それは心地よくワクワクと彼らの未来を呼び寄せてくれるようでした。

物語を読み進めていく中で、きっと誰の心にも響くメロディーがあるのではないでしょうか。


物語が続いていく…終わらない完結。

是非、ご一読を。

★★★ Excellent!!!

感想めいたレビューしか出来ませんがお許し下さい。

とにかく子どもって誰のものなのでしょうね?
いえ、それだけじゃなくて地球上のすべてのモノは
誰のものなのでしょうね?

自分は自分の未来を自分で切り拓いていく
その中で色々な人との交流や研鑽、意見の違い、そんなものを
乗り越えて行く訳です。
最終的に言うと、人類は人類の問題を人類で解決しなければならない
そんなメッセージを作者様は言われているのではないかと思いました。

しかるに、今の人類にその自覚があるかというと……
というわけで出てくるのが、SF的疾病なのですが
それは本文を読んでのお楽しみとして下さい。

いま回っている経済や価値観、本当に何かすっぽりと落ちていませんか?
という作者様の思いが詰まった作品です。

★★★ Excellent!!!

少年少女というのは、結束したがるものなのである。
「怪人二十面相」には、少年探偵団。
そう、事件現場でBDバッヂを落とし、仲間に知らせるのだ。
小林少年は確か、仏像の中に身を潜める離れ業をやってのける。

ここでも、こどもたちが大活躍する。手を取り合って。
主人公レンジ、弟のコトラ、そしてケンちゃん。
もちろん、恋だってきちんとするのだ。

このお話はね、こどもたちに開かれた秘密図書館の1冊だ。
惜しげなく、困った子たちに貸してくれる希望の書。
コトラの進化は、まるで飛び出す絵本。
頁を開くと、ムニャムニャがそっと宝を差し出す。

貧困からスタートして、苦難を乗り越え、知恵を持ち寄り
運命に挑む。彼らの進む世界は、それでもあたたかい。

★★★ Excellent!!!

多くの人にこの作品を読んでもらいたい。レビューとは本来そういった目的で書かれますよね。私は更にプラスして作者様への感謝の気持ちも上乗せしたいです。

プロローグでムニャムニャが出てきます。この単語が魔法の言葉で作品のあちらこちらに出てきます。このムニャムニャに当てはまる単語は何でしょうか。明確な答えがあるようで、でも上手く見つからない。そんな不思議な熱い想いがありました。

某少年漫画のテーマは「友情」「努力」「勝利」です。ボーイズダイヤリーも同じテーマは入っていますが、それだけでは終わりません。この三つのテーマは面白い作品には必要不可欠な要素だと思います。しかし、それは高度成長期の時代。つまりバブル時代に培った感覚です。時代によって流行がありますが、その事態は読者の感覚的なものが多分に作用されているはずです。
私は大正時代の傑作小説を読んでも面白いと思う事が非常に少ない残念な感性ですが、それを恥じた事は一度もありませんでした。古い文学はその時代に生きた人々が評価し感動した作品です。技術的な事や人間の原点を突き詰める作品など関心を惹く面白さはたしかにありますが私を心から感動させるものは少ないのです。
繰り返すようですが、私の生きている時代が違うのですから、その時代を生きた人達とは感性が違うのです。

話を戻すとボーイズダイヤリーに付け加える要素は「ムニャムニャ」です。ここでもムニャムニャが出てきている!
大切な単語なので読者の皆様も覚えておくと良いでしょう。読んで頂ければどれほど大切な言葉なのかわかるはずです。
ここで私の解釈したムニャムニャがなんだったかは語れません。読んで感じ取って頂ければ幸いですから。



人と人が相手を思いやり、ともに助け合っていく。
とても単純で純粋な行動を忘れたくありません。そう思わせる作品でした。

作者様。ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

この方の作品、軒並み高評価であることから薄々察しておりましたが、文章が大変読みやすいです。児童書の読みごこち、といったら伝わりますか?
主人公は子供。登場人物はほぼ、コドモ。それが大人と同等に、いえそれ以上に渡り合う描写が楽しい作品です。反射で「僕ら」を思い出したのは私だけではないはず。
いつの時代も、弱いものが強いものを、頭脳で圧倒していくのは楽しいものです。
あとをひく読了感が心地いい小説でした。

★★★ Excellent!!!

読みやすい。そして昔話のような説教(というか道徳)を入れているのかと思いきやそういうわけでもなく、苦労人のいい話なのに説教くさくない。

そして何よりもいいたいのがムニャムニャ! なんだムニャムニャって! 良い言葉すぎないか! と思わず叫びたくなりました。

★★★ Excellent!!!

親に捨てられた兄弟と、浮浪の少年。
この3人を中心に、波乱とも言える物語が展開されます。
物語の魅力も然ることながら、どこか、国語の教科書にもしたくなるような砕けた文章の運びにも注目です。とっても、声に出して読みたい感。
己の良点を自身で見つめ直し、それを最大限に活かした少年達の人生と、逆境と、立ち上がる力と、進化の記録を見られます。
私自身もまだまだムニャムニャであることを認識し、そこからまた進化していけると信じたい、とも思いました。

★★★ Excellent!!!

近未来の日本が舞台となる物語。
レンジ、コトラ、そしてケンの三人が中心となり、荒廃していく日本で生き抜いていく群像劇です。
登場する役柄の人々が、詳細な記載がないにも関わらず容姿風貌が浮かび、頭の中を駆け回ってくれます。このあたりは作者の筆力がモノをいっております。
子供十字軍の結成、投獄、金塊、勉強、仲間、料理、結婚などさまざまなイベントが発生し、長編物にも関わらずとても楽しめるストーリーです。

★★★ Excellent!!!

「人類」ではなく「人」として進化するための条件。
今あるものを分かち合い、大切にすること。
みんなで支え合い、助け合うこと。
だれに対しても親切にし、感謝すること。

作者様が考える “私たちが人として必要なこれらのこと” は、残念ながらすべての人間が持ち合わせているものではありません。
けれども、もし人間が「突然変異」と「自然淘汰」という進化論の過程を経て成長したならば、皆で支え合い、分かち合い、助け合う社会ができるかもしれない。

そんな願いを込めて描かれた、貧しい少年たちが寄り添って厳しい時代を生き抜くハートウォーミングな物語が今作です。
大人に裏切られた悲しさ、貧しい生活の中で見つけていく楽しさ、心ある大人との出会い、汚れた社会に対する小さな革命、挫折と新しい目標を見つけた喜び…
母親に捨てられた5歳のレンジが大人になり、教師となって子供たちに大切なことを教えようと自分の半生を振り返る中には、たくさんの喜怒哀楽が詰まっています。
レンジたちムニャムニャな少年たちのドタバタな活劇を辿りながら、あなたも人間として本当に必要なものが何であるか、ちょっとだけ考えてみませんか。

★★★ Excellent!!!

 これは、日記である。
 無免許の教師、レンジという人物の日記である。
 もっとも、正規の学校が存在しなくなったあとの時代のことであるから、無免許という言葉自体が正確ではないのだが。
 彼がムニャムニャだったころから、現在のムニャムニャになるまで、どのようにドタバタしてきたのかが綴ってある……のだったら、ドキュメンタリーである。
 そうではない。これは日記なのである。
 彼の言葉で、彼が思ったことが書かれている。それが正しいとか間違っているとかいうことではない。彼がそのとき、何を感じたか、そこが重要なのである。
 無免許とはいえ、彼は教師なので、多少は説教臭いかもしれない。それはそういう人物なのだと思って、大目に見てほしい。
 何故なら、これは、幸せになるための秘訣を、多くの人に伝えるために書き記した愛を込めた言葉なのだから。

★★★ Excellent!!!

 教師となった主人公が、自分と仲間たちの少年時代から現在までを綴る、というスタイル。
 教師らしいやさしい語り口調で話は進みますが、その内容は親に捨てられたり、金の涙を流したり、大恐慌に襲われたり……と驚きの展開の連続で、あっという間に物語の世界に入り込んでしまいます。

 そしてそれらを乗り越えた子供たちが、体だけでなく心も大きく強く成長していく。その姿を見届けるのがなんとも心地良いのです。

 そして様々な困難を乗り越えた先にあった、「わ、こう来ましたか!」というラストはびっくりです!

 ぜひ、多くの方に、この世界を体験していただきたいと思います。

★★★ Excellent!!!

主人公の口から過去の経験や個性的なキャラクターたち、そして思想が語られる中で徐々に固まっていく世界観がたまらなく魅力的なSF(そう、SFです)

どんな世界も正しいこと、綺麗ごとばかりなんてことはなくて、苦しいときも楽しいときも単純にそれだけでは理想には程遠いものだけれど、そんなこと考えるより目の前の一日一分一秒を必死に生きることのほうが子供たちにとっては大事。なぜなら状況絶望的。100m走を422回繰り返したらマラソン完走できるかのように無計画で無謀だけれど他に選択肢がない綱渡りな日々。

そんな中で生まれる僥倖と挫折とひらめきと達成と奇跡的な経験を繰り返し、仲間との結束を頼りに困難を乗り越え、子供たちは徐々に大人になっていく……のかと思いきや最後!

子供心に憧れる大人たちにいくつもの深いテーマを突き付ける、そんなお話です。是非!

★★★ Excellent!!!

孤児になった主人公やその仲間の軌跡。
笑いありシリアスあり涙ありBLありのエンターテイメントノベル。
(BLは違ったか…)
とにかくみんなの頑張る姿にずっと声援を贈りながら読んでいました。
ここでは詳しい内容に触れませんが、まあ一度読んでみてください。
面白い程、読み進めてしまいます。

こんなにも面白い物語をWEB投稿してくれた作者様に感謝。


★★★ Excellent!!!

涙が金に変わる弟を持った貧乏であった少年が、その友人達と過酷な環境を生き抜いていく物語ですが、単純なお金の話ではなく、物語の根底には「信用」と「信頼」があり、読んでいて徐々にその大切さに気がついていきました。
何より、日記形式で未来から書かれているということで、ある意味のネタバレが物語にストレスを与えないようにしている、凄い作品です。

この作者様の作品では必ず述べていますが、この作品も例に漏れず、一話一話が多めの文量にも関わらず、その文章力のうまさ故に多さを感じることなくするすると読んでしまえる引力のある、面白い作品です。

オススメです

★★★ Excellent!!!

舞台は近未来の日本。

世界的な大恐慌により疲弊しきった社会。人々は希望を失い、食うに食われぬ悲惨な時代に投げ出された。そんな中。ある弱き母親は、幼き子と赤子を捨てた。

捨てられた幼子である、主人公「レンジ」は、赤子の弟を連れ、ストリートチルドレンの「ケン」の下へ身を寄せ、生きるための新生活をはじめる……。

果たして、厳しすぎる社会環境の中、彼らはどう生き抜いていくのか?

そこで起きた、小さな奇跡とは?

社会の狭間で強く生き抜く、少年少女たちの闘いを描いたムニャムニャ戦記。

地力のある作者が描く、新たなストーリー。
しっかりとした『物語』を愛する人は是非に!




★★★ Excellent!!!

金の涙を流す子供たちと、肩を寄せ合って暮らす孤児たち。

物語は、元孤児であった(現在は教師)人物の語りによって進んでいきます。母親に捨てられた日から、子供たちだけで生き延びてきた日々、金(本当のゴールド!)の涙を流す子供たち。十五少年漂流記のような、少年冒険もののようであり、SF的世界観でもあり、とにかく、すごく面白いです。

また、作者の方が、とにかく読みやすさを気にかけてくれているのでしょうが、本当に読みやすいです。適度に区切りを入れてあったり、文章も難しくなく、やさしく語りかけてくれるような調子で進んでいきます。

まだ未完ですが、今現在(6話)まででも、十分面白いし、読む価値アリ!ぜひ読んでみてください。

★★★ Excellent!!!

「ひとこと紹介」では上手い言葉が出てこなかったのですが……
頼る当てのない子ども達が、身を寄せ合って生活する様子、小さな幸せを感じる場面に心が打たれます。

作品全体として、桐野夏生の「優しいおとな」のような雰囲気を感じました。
「子ども達」の結託する力強さには、江戸川乱歩の少年探偵団とチンピラ別動隊に通じるものがある気がします。

最新話は、気になるところで終わってしまいました。
続きを楽しみにしております。


最後に。
子供十字軍の合図を「影分身の術!?」と間違った突っ込みをしてしまった紺藤をお許し下さい。

★★ Very Good!!

大人で教師になった主人公の語り口で進められていく本作。スラム街の少年と行動を共にしていたような子供が大人になって教師になるまでの過程は何があったのか気になる所です。
世界背景や主人公がどういった人間なのか、また、それを取り巻く環境が上手く説明されていて分かりやすい一話でした。
まだ、始まったばかりなのでとりあえず、☆×2