同人誌を通じて指南される、目的へと邁進することの大切さを説いたラブコメ

同人誌を通じて、物事に没頭しひたすら邁進することの意義を教えてくれる作品だと思います。

恋愛・ラブコメとして、主人公とヒロインが心理的、精神的な距離を縮めていく過程は、非常に読者の共感を得られるような的確な心理描写で表現されており、とても完成度が高いものと思います。

しかし、『同好の士』が、ある目的に向かって、少しでもより洗練、精錬されたものに昇華させていく様子は、見習うべきものがあるかと思います。
そこには下心はない。(あ、いや、年頃の男の子が女の子相手に、だから全くないわけではないかもしれないですが……(笑))純粋に『同好の士』を尊敬する気持ちの現れが、主人公の気持ちの変化をもたらしたかもしれません。

私は同人誌を作ったことも手に取ったこともないのですが、損得勘定を抜きに好きだから描く(書く)、というモチベーションは、まさしく私自身そしておそらく多くのウェブ小説家の方々に共通することではないでしょうか?

文体は、安っぽくないのにとても読みやすく、少し読むだけで、坂神氏のボキャブラリー、リーダビリティーの高さを感じることができます。
ひとつのエピソードは比較的長めかもしれませんが、少しもストレスを感じることなく読むことができるのも魅力です!
おすすめです☆ミ

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