第二の地球を求めて漆黒の宇宙を飛び続ける宇宙船。その中で行われているのは、あらゆる「廃棄物」を完全に再利用し、新しい命へ繋ぐための作業。そして、それは人間もまた例外ではなく……。本編でも触れられている通り、ある意味自然の摂理そのものに立ち返ったようなこの仕組みを、主人公も知らない地球と言う星で行われていた伝統的な文化と絡めると言う独特の視線から描く事で、どこか儚く、でも優しい雰囲気が創り出されています。彼女の命は多くの人々によって支えられている、そしてやがて彼女も……。どこか神秘的なSF短編作品です。
これは未来を舞台にした架空の話ですが、今を生きる我々の話でもあります。生老病死、生々流転。絶え間なくつながり、受け継がれている愛の物語を、このうえなく繊細でやさしい筆致で描いた作品です。みなさんにも読んでほしい。読んでいて、胸がきゅんとなります。
宇宙移民船で暮らす、女の子と科学者のお祖母さんのお話。作者様は小説を書き始めたばかりとのことですが、文章がしっかりされているので読みやすかったです。心温まる、素敵な作品でした。
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