契約と理論に護られた、臆病者の恋物語

この物語は、あらすじにもあるように、女主人公、華ちゃん目線で語られるエピソードと、その華ちゃんの相手役である、南田さん目線で語られるエピソードの二つに分かれています。

華ちゃんサイドは、キス税を免れるためと、突然南田さんから契約される所からスタートします。
ところが、お相手の南田さん。多分華ちゃんの事が好きなんだと思うのですが、いかんせん言動がすさまじいです。
めっちゃ個性的です。
そんな個性的な彼に対して華ちゃんは……。みたいな物語です。

そんな華ちゃんサイドが終了すると、今度は個性的なイケメン。南田さんのターンです。
どんな感じなのかと読んでいくと……。
一言で言うとメチャクチャ甘いです。
華ちゃんサイドよりも、恋愛事に関する葛藤のシーンが多くなり、恋愛物語って感じになってます。

華ちゃんサイドでの南田さんの印象は、私の中では機械みたいな人でした。
ところがです。南田さんサイドを読み終わった後での印象は、だいぶかわりました。
彼は決して機械ではなくて、普通に恋する男の人である。そして、好きな人に嫌われたくないと思う、臆病な可愛らしい人だと、私は思いました。

この物語のスタートは華ちゃんサイドです。この華ちゃんサイドのエピソードだけで、この物語はちゃんと完結しています。
でも、恋愛物語としてこの物語を楽しまれるのなら、是非とも南田さんサイドも読むべきです。
恋に囚われて葛藤する南田さんサイドは萌えの宝庫です。

でもだからっていきなり南田さんサイドはやめた方が良いです。
華ちゃんサイドを読んで、まずは南田さんの摩訶不思議を読んでからじゃないと、萌えレベルが少し下がる気がします。
きっと、華ちゃんサイドは長いプロローグ。この物語の本番は南田さんサイドから。私は、勝手にそう思ってます。

作者さん。楽しい時間をありがとうございました。とっても面白かったです(^^)

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