「誰か」という物語、「人生」という一冊

 本を診る者とその助手は、心身が傷付いた本達を巡る、小さく果てしない旅を続けます。
本の中にある人生とは、ページの端々にまで語り綴られるドラマ。英国の蒸気機関車を吹き立たせる情緒、薔薇匂い立つロマンス、創作物としての物とは言え、それらはずっと人々を魅了させ、また感情を持ち、悩み傷付いたりします。それらを直す、というよりも癒やすといった心での対話で解決します。
 本、彼らは感情と肉をもった命。物語の中で生きていると、教えられます。本は一つの箱庭でありながら、誰かのための物語であり人生となる。読み手として、読書とは孤独で寂しいものではないと気付かされました。
 そして蛇足にこう考えます、どうやったらこの物語を「サミュの図書館」を傷付けないかと。私は物語に入り込む特別な才能がないので、ただ一言「出会ってよかった」との言葉を添えることしか出来ないのが惜しいです。

とはいえここまで気障ったらしく連々と書き連ねてしまいました。
このレビューの世界の一人の人間として、クリスティーヌちゃんに平手打ちされたいです。

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