月日は囁く、「四季は来る」と

土や川、月や虫などの五感を刺激する自然、大地からの賜りを受け具象した人間から生み出された造物、文学の数々。それらを手に取り、ずっしりと重みを感じさせる日記です。
様々な生(なま)に生(せい)を宿し鮮烈な色を帯びて、やがて時間とともに朽ちるか何処かへ去る。それに儚さを感じつつも確かな美、元来人を揺り動かし続けた叙景の断片を味わうことができます。

自然のひときれを描く作者様の文章がとにかく美しい。洋墨をたっぷりと入れた万年筆で描かれる原稿用紙、加えて薄っすら滲んでは香るの肉感を感じさせる風味。これらと自然が起こす「無為のきらめき」とが、季節を置いて忘れかける読み手に鮮やかに訴えかけます。

夜長、頭も外も冴えた時のお供におすすめです。