舞踏の色彩、空気の掌握、男女の会話……300字程の文に凝縮された、色気と風土に圧倒されます。吐息すらも聞こえてしまいそうな緊張感や恍惚、短文が秘める語られぬ美しさを無限に引き出した掌編の極致です。僅かな字数で綴られるような、ほんの一瞬で、けれどもたった一度の浪漫を体験出来ます。
短い中にもぎゅっと妖艶な雰囲気が込められている作品です。踊り子の美しい姿がほの暗い中に浮かび上がってきて、読者の私も魅了されてしまいました。アジアな魅力があって、すごく好きです。