帝都を舞台に繰り広げられる、格調高い諜報員の活躍がここに。
- ★★★ Excellent!!!
戦前の日本。軍拡が叫ばれ、平和な喧騒が静まり返ってくる暗い時代。
子供の頃読んだ、推理小説を彷彿とさせる重い時代背景。
主人公は、同僚の一歩あとを進むことを甘んじて良しとしている諜報員。
容姿、学業、運動神経、全てを兼ね備えながら女性が苦手。諜報員としては一流未満でも人間的には愛すべき存在。
そんな彼に与えられる任務は、なぜか女性絡みが多いのも確か。
彼と同じかそれ以上に、魅力的かつ個性的(奇矯?)な同僚たち。
作者さんは、ある大学のミステリー研究会出身ということもあり、犯人当て、ハウダニット、カーアクションなど、ミステリ要素も多彩かつ完成度も高いこの一作。
捜査の中にあって、恋愛要素も少なくありません。
新しい形、上質な香りのミステリをどうぞ。
(……くんくん、なにやら多彩なカップリングを想定した、BLの香りもするよ……(-_-).。o○0〇