頑張れ、明智! 日本の未来は君の肩に掛かっているぞ。

随分と前に放送された深夜アニメ「ジョーカーゲーム」に表面上は似ています。戦前戦中に暗躍した日本の諜報機関が本作品の舞台です。
江戸川乱歩の明智小五郎をイメージした方は最初に肩透かしを食うかも知れませんが、読み始めれば直ぐに嵌ると思います。寄って来た探偵小説ファンを裏切る事は無いでしょう。
諜報事件を題材にしているものの、最大の魅力は機関所属員たちのキャラです。思わず声援を送らずには居られません。
本作品はオムニバス形式なんですが、飛ばし読みは勧めません。エピソード毎の緩急が心地良い。作者の計算したレールに身を任せるのが妥当です。
最後のエピソードは胸を熱くしますよ。そんな心意気の諜報機関が存在していたなら…。後の歴史を知る我々は、だからこそ、登場人物たちを応援してしまうのかも知れません。

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