平凡な1日、また平凡な1日、そしてまた…

毎日クローンたちと顔を合わせ、工場で働き続け、僅かな精神の動揺も許されない単調な日々を過ごす主人公。働き続ければいつかこの時間から抜け出し、憧れのあの人と共に過ごせる……その淡い希望は、ある日世界の真実の一端を知った時、大きく揺らぎ始め……。

……そしてここから先、主人公が読者と共に目の当たりにする事になるのは、この『世界』を覆い尽くす予想だにしない事実。複雑に入り組んだ物語を理解しようとすればするほど、全てを認識していたはずの現実を疑いたくなってしまうほど、途轍もなく壮大な仕掛けが隠されています。

延々と続く「ぼく」の連鎖の果てに、何が待っているのか……良い意味で「奇書」と呼んでも過言でないかもしれない作品かもしれません。

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