信長、秀吉、家康それぞれの抱える「子」の秘密とは?

歴史上の『覇王』、すなわち天下人。
戦国時代では、信長、秀吉、家康の三人です。
この三人が抱える「秘密」とは何か?
それぞれの「子」にまつわる秘密を縦糸として、大胆に歴史の裏側をえぐっていく傑作です。

信長の子である信忠、信雄、信孝、そして勝長。信忠の出自の秘密が、本能寺で信忠が逃げられなかった理由として語られます。
秀吉の子である鶴松、秀頼。なぜ鶴松は祝福され、秀頼は祝福されなかったのか。にもかかわらず、秀頼が秀吉の実子として滅ぼされた理由は。
家康の子である信康、秀忠。秀忠が生まれた直後に、信康が切腹して果てたのはなぜか。

そしてもう一人、覇王未満の男、明智光秀と、その子、光慶。彼等も重要な役割を果たします。

その一方で、女の影も見落とせません。生駒御前、築山殿とお大の方、西郷局、そして春日局。
女の確執と怨念が横糸となって縦糸の秘密と絡まり、壮大な絵巻物を織り上げてきます。

覇王の懐刀、黒田官兵衛や本多正信も実に魅力的に描かれています。そして南光坊天海についても、非常に斬新な解釈で描かれます。

斬新な説にも説得力のある裏付けがあり納得がいく、非常に面白い作品です。

戦国史が好きなら、ぜひ読んでみてください。

その他のおすすめレビュー

結城藍人さんの他のおすすめレビュー1,514