「アイツが怪しい」と互いが疑う閉鎖空間のドラマ

殺人劇じゃないが、密室殺人事件の推理ドラマのような緊張感を味わえる。
窓の外は土砂降りの雨。外部との通信手段が途切れ、登場人物達はペンションの内に閉じ込められる。
金田一少年の事件簿に出てきそうなシチュエーションではないか。

但し、些細だが、決定的に異なる点が1つ。
誰が殺したか?
ではなく、誰が死んだか?
それについて、雰囲気的には侃侃諤諤の議論が交わされ、その言い合いの果てに人間関係が落ち着く所に落ち着き、翌日には皆が去って行く。

お約束通り、キャラの濃い登場人物が集まり、我儘やエゴを剥き出しにして口撃し合うのだが、その会話が面白い。
本作品も十分に面白いが、これを脚本にした演劇も面白いんじゃなかろうか。
榎本明は当確かな。それと、若い頃の柳沢慎吾。女将は風吹ジュン。
私の年代が望むならば、だけど。

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