SF黄金期を濃縮した傑作短編集!

多岐にわたるテーマを扱い、コメディからシリアスまで書き分ける筆力に脱帽いたしました。
以下、グっと来た作品について。

第3話「永遠のマチビト」
星新一作品にも似たテイストの物がありましたが、オチの持つ教訓は遥かに強烈でした。
一人類として身につまされる思いです。
第4話「君は時間の牢獄より」
過去があって未来があるのか、未来があるから過去があるのか。
タイトル通り時間がトリックの作品ですが、最後に自由意志がテーマに絡み、非常に深みを感じました。
第5話「目覚める君に残酷な手紙を」
一番好きです。
たった1500文字足らずの文章にもかかわらず、純愛や狂気の愛など、沢山の愛の形が詰め込まれていました。
そして、それを可能とする技術も丁寧に描かれており、SFとしても純愛作品としても深く心に残っています。

私もSFが好きですが、若輩者ゆえ攻殻以後~伊藤計劃あたりのSFしか拝見できておりません。
しかし本作は、これらの世代とは異なる奔放なSFの魅力に溢れていました。
続編、楽しみにしております!

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