残酷なのに、静かに「美しい」です。

最後まで、息をのんで読み進めていく作品でした。
砂漠化した未来の東京。
「見渡す限り」を歩き続ける「調査員」、突如目の前に現れる砂で出来た「人工建造物」。
静かに、ひたすら進み続けているだけの場面でも、常に不安を感じながら次の文章を目で追っていきました。特にビルの登場シーンは脳内イメージでも轟音が聞こえてくるほどの迫力でした。
再び崩れる建造物、再び歩き続ける調査員、やっとたどり着いた目的地、現れるスカイツリー・・・。
そこで人類滅亡の瞬間を知る主人公。主人公もまた、実は既に・・・・?

心地いいほどのSFど真ん中の作品で、非常に心揺らされ面白かったです。
何より情景の色合いがとても綺麗で興味を惹かれました。
空の青と砂の白、そして黒い涙。イメージとして、とても綺麗なバランスだと感じましたね。
「すごい」の一言が感想にふさわしいような、そんな作品でした!
完結おつかれさまでした!

その他のおすすめレビュー

タダス火ru-koさんの他のおすすめレビュー9