序盤は某2Dアクションゲームのネタをそのまままるっと取り込んだ描写が続く、それを知識として有している主人公の軽快なツッコミに、同じ立場である読者の自分も思わず笑ってしまった。
実際に元ネタを小説として文章にするとこんな感じなのだろうか、と想像を掻き立てられながら読み続けた。主人公が初めて実力を発揮し、跳躍する場面は今読んでも素晴らしいと思う。
しかし中盤以降のストーリーはまるで別の空気感を纏っている、そこにあったのは絶望からの反逆の物語だ。序盤の軽めなノリが以降の展開を引き立てている。崩壊する幻想、明かされる真実を知って読者はこう思うだろう。
てれっててれーててれっててー
その意味は、とても深い。
軽い気持ちで、軽い暇つぶしで読むような内容ではない。
読み始めは、確かに爽やかな展開でスルスル進められます。でも段々と「コレとんでもねぇな…」という感覚を覚えずにいられなくなっていきます。
人の心にうごめく複雑な感情の様子に、時に同調・同感し、時に引くほど深い闇の絡み合いを感じさせます。
なんという濃いストーリーだろうか。
それなのに、コメディはちゃんとあるし王道なRPGも表現に手抜きが無い。
世界観や展開が「ライトノベル」だとしても、もはやその括りを飛び越えている作品な気がします。
他の方が述べているように、毎日の更新に、読者が毎日追いかける価値は充分にあります。
本当にどうなるんだよ続きは・・・?!
締めがどういう結末になるのか、一緒に見届けていきましょう。