魔王軍の侵攻。幾つもの「繋ぐ」ストーリーが繰り広げられる。

魔王軍の侵攻を受ける世界のエピソード集です。

最初の数話は絶望的な状況でせめて一矢報いようとする人々が描かれ、それ以降は勇者登場後のための伏線にあたるエピソード集です。
ですので、最初の絶望的な状況だけで読むのを止めるのは早計であろうと思います。
(更新の都度、追いかけています)

また、一つ一つのエピソードの完成度が高いです。
最近の異世界もので軽く語られがちの「勇者の登場」というものを、人々が渇望している様子が感じられます。
いずれはこれらの設定を用いて、2元論にもとづく、ドラゴンクエストのような「王道」「正道」の異世界ファンタジーが読んでみたいと思いました。

コンテスト応募作品として見た時は一つ一つのエピソードが独立しすぎているので評価がしにくいです。
しかし、エピソード集として見れば良作だと思います。


【追記】
とある本を読んでから考え直してみると、本作は、実存と構造の概念をもった作品であるように思えてきました。
皆さんにお薦めします。

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