きっと世界は変わっていくのだろう

淡々と進んでいく文章。休もうと思っても休めない。
「これは読まされる」そう気付いた時には遅かった。

同性愛に悩む主人公の再生のものがたり。
「ふうん」と、さほど興味のなかったテーマのはずなのに、
胸倉をぐいとつかんで、パソコンの前から放してくれない。
流れと語りの心地良さに引き込まれていく。
冷静な文章なのに、地が熱い。
とても真摯な作品だ。

内容は、とてもうまく表現されている他の方々にお任せする。

セクシャルマイノリティーの苦悩は、
あらゆる悩みに通じている。
悩みに大きいとか小さいとかはない。

あなたがあなたのままでいい世界、
何者かに成らなくてもいい世界。

世界は確実にそういう風に変わっていく、
そう感じさせてくれる小説だ。

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