語りし者はさいわいなり

作者 島野とって

語らねば、思いは伝わらない。対話し、少しでも理解し合うために。

  • ★★★ Excellent!!!

チェコ、プラハ。
災厄で人口は激減し、ゴーレムの労働が街を支えている。
暴走ゴーレムに襲われたヘレナを助けたのは、亡兄にそっくりなゴーレムだった。

人は語るが、ゴーレムは口をきかない。
ゴーレムには「言葉」で命令を与えるが、適切に指示しないと、人の意図しない行動を取る。
塔の囚人。ゴーレムは「言葉」に従うが、果たして意味を理解しているのか。

中身はがっつりSFですが。
心の中の思いを完璧に言葉で表現することは難しく、口にした瞬間に嘘になってしまうかもしれない。
自分の発言で誤解を与えたり、傷つけたりするかもしれない。
不完全な言葉でのコミュニケーションを恐れ、沈黙に傾く少女の気持ちは、SF関係なく、共感できます。

それでも、少しでも思いを伝えるためには、語らねばならない。
人は、言葉を持っているのだから。

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★★★ Excellent!!!

 甚大な被害をもたらした『破局』の後の世界。
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 復興に思うような人材が確保できず、土くれで構成されたゴーレムが労働力になっている。
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