先輩後輩の間抜けな会話

行木しずく

第1話

「先輩先輩」

「なんだい後輩よ」

「先輩、知らん間に喫煙者になってますけど喫煙歴長いんでしたっけ?」

「おぅ。煙草が解禁になった18から吸ってるぞ」

「飲酒喫煙は20歳からです、先輩」

「で、それがどうした?」

「いや、喫煙歴長い割には電子ライターなんだなー、って思っただけです。私の知り合いで喫煙歴長い子は、結構ジッポとかにしてるんですけど」

「あー……」

「どーせ先輩煙草止める気ないんだし、折角だからジッポにすればいいじゃない! って思った次第です。きっと似合う。私の萌えのためにもお願いします」

「お前のためかよ」

「当たり前じゃないですか。日常に萌えが欲しければ自分から作り出すしかないんすよ!」

「アグレッシブだねー」

「お褒めに預かり光栄です」

「あんま褒めてねーよ。ジッポはなー、変える気はない」

「なんで?」

「その内止めるから」

「? 止める気配ないんですけど」

「彼女できたら止めるよ」

「止める気ないじゃないですか」

「ぶん殴るぞお前」

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