「……お疲れ様です、先輩。抜け殻みたいになってますけど、どうしたんすか？」

「近寄るな、後輩！」

「ぅえ！？な、なんで！？」

「俺は今、深く傷ついている……」

「はぁ……」

「『お前、本当にシスコンだよな』って笑われたんだ」

「はぁ……ん？」

「あんまりだよ、酷い濡れ衣だよ！」

「先輩先輩、お姉さんも妹さんもいなかったですよね？」

「あぁ。兄貴が一人いるだけ」

「じゃあなんでシスコンなん「お前のせいだよ！」

「……私ですか？」

「そうだよ！お前のこと構ってるお陰でこちとらシスコン呼ばわりだ！あんまりだ！世の中不条理だ！そもそもお前妹じゃねーし！お前のような生意気で可愛げのない妹なんざいらん！」

「え？私は先輩って、かなり理想のお兄ちゃんだと思ってますよ？」

「え、」

「う、」

「……。」

「……おま、」

「すみません恥ずかしいことを言ってしまいました忘れてください」

「……なんか、満更でもない自分に腹立つわ……」

「……先輩、そんなんだからシスコンとか言われんじゃないすか」

「言うなよ、傷つくから」

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