ホテル・ヒルベルト【ミステリマニア向け】

作者 さくらもみじ

59

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★★★ Excellent!!!

無限に部屋が存在すると言うパラドックスの代表格「ヒルベルトの無限ホテル」。
その奇妙な仕組みの解説とそこで起きてしまった1つの事件が上手く絡み、見事なミステリー作品に仕上がっています。

ホテルは無限ですが真実は有限、たった1つだけ。ミステリーにあまり縁がない方や理系の方でも楽しく読める、頭を刺激する作品です。

Good!

ヒルベルトホテルの話を小説っぽく書いただけ…と思っていたらそんなことはありませんでした。

最後までちゃんと元の話を残しつつ、小説に関係の無い部分については余計な説明を入れない。短編としてとてもきれいに整っているなという印象を受けました。
というかあの話をこうも上手く利用できるものか、と作者様の発想力に驚かされました。

★★★ Excellent!!!

アリストテレスの古来より、無限は濫りに触れてはならぬもの……禁忌と同義でありました。時は流れ、ニュートンが極限をああしてカントールが集合をこうしてデデキントが何やら切断して、などという野暮ったい無限論の歴史はさて置いて、とにもかくにも無限というのは常識外れな性質を有することが判明するのですが、それを端的に示す好例がヒルベルトの提唱した〈無限ホテル〉でした。
事件が起きるのは、提唱者の名を冠したまさにその〈無限ホテル〉。常識の通じない世界におけるミステリ、そしてその鮮やかな論理をご堪能あれ……!