禁断の世界へようこそ……!

アリストテレスの古来より、無限は濫りに触れてはならぬもの……禁忌と同義でありました。時は流れ、ニュートンが極限をああしてカントールが集合をこうしてデデキントが何やら切断して、などという野暮ったい無限論の歴史はさて置いて、とにもかくにも無限というのは常識外れな性質を有することが判明するのですが、それを端的に示す好例がヒルベルトの提唱した〈無限ホテル〉でした。
事件が起きるのは、提唱者の名を冠したまさにその〈無限ホテル〉。常識の通じない世界におけるミステリ、そしてその鮮やかな論理をご堪能あれ……!

その他のおすすめレビュー

空っ手さんの他のおすすめレビュー109