文学的、でも堅苦しくない可愛らしい恋物語。
- ★★★ Excellent!!!
短編で読みやすそうな恋愛小説。という事で早速読ませて頂きました。
主人公は、何処にでも居そうな普通の青年でしょうか?
彼が、何となくお祭りをブラブラしている所から始まります。
一人称。彼からの目線で語られるお祭りの風景描写。それが、まるで彼の目、耳、肌と私がリンクしている。そして、私が本当にその場にいてそのお祭りの空気を感じている。そのように感じる、自然な描写だと思いました。
彼の心も彼が語るのではなく、彼が見たお祭りの風景への感想から彼の心情を感じさせる。そんな風にも感じて、作者さんは文章書くのがとてもお上手な方だと思います。最初の冒頭部分でガッチリと物語に引き込まれ、そのタイミングで、彼女が現れます。偶然にであった彼女と彼は成り行きでデートをします。この短いデートの間、とても短い間なのに、二人を襲うドキドキの展開。
もう、私は胸キュンしっぱなしでした。そして、クライマックスの先!もしかしたら幸せな未来が見えているかも?
ロミオとジュリエットは悲恋の物語。だけど、『狐ノ嫁入リ』はきっとちがいます。
最後まで読んで私はそう思いました。
もしも読まれていないなら、是非読んで見てください。とても良い物語だと思いますから。
ちなみになんですけど、『魔法』を『まほう』と読まず、別の読み方をしている所があります。それは、この物語の彼女さんが言う台詞にあるんです。私、この物語で一番のお気に入りはその彼女さんの台詞です。なんかロマンチックです。
作者さん、素敵な時間をありがとうございました。