概要
雨の日の喫茶店に訪れたのはピアノを習いたいと願う風変わりな客だった
港町二丁目にある喫茶店の店主洋は、閉店間際にやって来た客にピアノを教えてほしいと頼まれる。
できないと断りをいれた洋に向かって、彼女が口にしたのは、ずっと昔、洋が幼かった頃に前店主から聞いたことのある言葉だった。
できないと断りをいれた洋に向かって、彼女が口にしたのは、ずっと昔、洋が幼かった頃に前店主から聞いたことのある言葉だった。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!大人も子供も安心して読めるロマンチックな児童文学風作品
ずっとずっと昔に見た何かの番組に、浜辺で拾った巻き貝を耳にあてるシーンが有ったことを、読んでいて思い出しました。巻き貝は内側に海の記憶を閉じ込めていて、静かに耳をすませばその記憶の海の音が聞こえてくるのだというのです。当時子供だった私は、そんなロマンチックなお話にあこがれて、まねをして巻き貝を耳にあててみたものです。もっとも、私が耳にあてたツヤツヤ光る巻き貝は、祖父母が旅先の土産物屋で買ってきた飾りものだったのですが。
雨の日に喫茶店を訪れた不思議なお客さまである彼女と、その喫茶店のマスターである洋さんとのピアノを通じた交流。この物語も、前述のような不思議でロマンチックな発想を下敷きに進…続きを読む