概要
あたしを虐めたミサキは笑っていた。テレビの中で楽しそうに……
あたしを虐めて傷つけたミサキは、今はその整った容姿を武器に芸能界で売れっ子になっていた。
友情なんて、簡単に壊れていく。
友情なんて、きっと簡単に……。
友情なんて、簡単に壊れていく。
友情なんて、きっと簡単に……。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!感情が軋み、歪み、どうしようもなく捩れる瞬間
主人公の感情の流れに翻弄される、とても読み応えのある作品だった。
この物語は、傷つき、歪められた主人公の心が、明確な悪意に反転するその瞬間を描写した物語だ。文章は描写すべき要素が整理されていてとても洗練されており、読みやすい。僅かな描写の一つ一つで、どれだけ主人公の心が傷つき、歪んでしまっているかが、痛いほどによくわかる。
特に私が印象的に思えたのは、文中で度々現れる「便器色の歯」という表現だ。
その意味合いは、是非本編で確認してほしい。この表現を始めとして、少女のミサキに対する音羽は積年の恨み辛みで歪められていて、その歪みが読む側の心をも引き裂くかのようなのだ。
短編であるからこ…続きを読む