成長という名の道筋を辿るには、何度間違えを繰り返せばいいのだろう?

雪の降り積もり温泉街で起こるちょっと不思議な出来事。

彼氏と別れた傷心旅行のつもりが、何かが少しずつずれていく……既視感のあるバス停、食べたことのある蕎麦、転んだはずの私!

最後まで読めば、優しい成長の物語であることに気が付けるよくできた短編である。考察の余地を残す書き方も、作品を読むうえで一つの楽しみとなるだろう。僕はじっくり考えて楽しませてもらうことができた。作者の解答は一つだが、読者の想像は無限なのだ。


*ここから先は本編を読んだ方のみに読んでもらいたい。



主人公のハルカは、彼氏と別れたことが原因で幼馴染に温泉旅行に誘われるが、この時、ハルカが彼氏との子供を『堕胎』をしてると頭の隅において、もう一度物語を読み進めてもらいたい。そうすることで、物語はいっきにホラーテイストで怖いものになること間違いなしである。

(ちなみに、この考察は作者直々に間違っているとのお墨付きをもらっているので、あくまで僕個人の的外れ考察である)

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