再誕ルートでいきましょう

作者 宮下愚弟

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★★★ Excellent!!!

※ネタバレ注意!

失恋した女の子が温泉旅館に行き、そこで不思議な体験をする、というお話。
全体的に凄く丁寧に書かれていて、描写や比喩の一つ一つにも気が使われている感じがして、冬景色や温泉の様子が目に浮かぶ作品です。
作者のすぐれた発想やセンスがきらりと光る、そんな作品ではないかと思います。

ここから先はややネタバレになるかもしれませんが……

果たしてこの死は本物なのか。それとも、心の中だけで起こったこと?
色々なとりかたがあります。レビュー欄をちょっと見て見てもいろいろな解釈の仕方があって面白いです。
私はこれは、主人公が偶然こけしやぐい飲みや、置き去りにされたこの土地の何かにシンクロしたことによって引き起こされた魔法の様な体験をするに至った暖かいファンタジーなのかな、と感じます。
夢占いでは、「死」は「再生」や「トラブルの解決」を意味する幸運の夢だそうで、この物語も死ぬことで前に進んでいく力を得る「死からの再生」がモチーフの作品なのかな、と思いました。
死と再生を繰り返す、それは自分の心も同じなのかもしれない。

★★ Very Good!!

ネタバレせずに感想書きたいな…。

何かを乗り越えるということは、蘇生のようなもので。
「繋ぎとめる」べきは、愛したあの人か、弱くて脆い今の自分か。
不思議な体験の中で、何かに諭され、誰かに救われる。

本当の解釈なんて作者様にしか分からないのだけど、それを「最短」でなくても探っていくことに楽しみがあるような気がします。

個人的には、雪の描写と温泉の描写の、緻密で繊細な書き方が大好きです。読んでて冬の寒さが襲ってきました。

★★ Very Good!!

パンタ・レイ曰く、万物は流転する。
本当に?
そんなことを考えさせられる物語。
停滞、繰り返し、後戻り、そうして一歩を踏み出す。
きっと人の成長とは、生きるとはそういうことで。
つまり何を言いたいかというと。

――人生って、ままならないね。

★★★ Excellent!!!

雪の降り積もり温泉街で起こるちょっと不思議な出来事。

彼氏と別れた傷心旅行のつもりが、何かが少しずつずれていく……既視感のあるバス停、食べたことのある蕎麦、転んだはずの私!

最後まで読めば、優しい成長の物語であることに気が付けるよくできた短編である。考察の余地を残す書き方も、作品を読むうえで一つの楽しみとなるだろう。僕はじっくり考えて楽しませてもらうことができた。作者の解答は一つだが、読者の想像は無限なのだ。


*ここから先は本編を読んだ方のみに読んでもらいたい。



主人公のハルカは、彼氏と別れたことが原因で幼馴染に温泉旅行に誘われるが、この時、ハルカが彼氏との子供を『堕胎』をしてると頭の隅において、もう一度物語を読み進めてもらいたい。そうすることで、物語はいっきにホラーテイストで怖いものになること間違いなしである。

(ちなみに、この考察は作者直々に間違っているとのお墨付きをもらっているので、あくまで僕個人の的外れ考察である)

★★ Very Good!!

親友に誘われてたどり着いた旅行先で、ちょっと不思議体験。彼女は自身の心とどう折り合いをつけるのか? …というお話。

全体的にはほっこりとしました、自分だけかもしれませんが。(あと関係ないけど、途中で「『スタンド』から攻撃を受けているッ!」と某漫画で再生されましたw)。
さて、彼女の体験したことはどこまで真実だったのでしょう? 私はすべて真実だと思います。事実かどうかは別として、ですが。

読者も傷ついた心を癒す旅行に出かけたら、ちょっと不思議体験に会えるかも…?

★★ Very Good!!

ネタバレになってしまいそうなので下手にレビューを書きたくない、そんな作品。短編なのでぜひ読んであなたなりの答えを探ってみてください。



*以下、ネタバレあり*



解釈が色々と分かれている作品と聞いて、気になって読んでみました。
私はこういう作品はあまりすべて理解する気で読まず、どちらかといえば雰囲気と提示されたテーマを味わうタイプです。

そんな視点で語らせていただくとするならば、この作品で提示されたテーマは「人が成長するとき、変化するとき、それまでの人格は上書かれるのではなくパラレルワールドとして存在する」という可能性を示唆するものなのかなと思いました。

だからこそ少しぞっとしつつ、変わる前の自分を愛おしくも思いたい。

日常に潜む何でもない出来事を、誰かに響くように描ける筆力はさすがだと思います。