人の魂
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魂とは器に宿り不可侵の要素であり、生命そのものを表す核であるとも言われている。
この世界エル=ユーナには“魂の海”と呼ばれる場所が存在し、人が死した際、魂はその海へと運ばれ大海の中の滴となる。
そして、世界に新たな命が生まれるとき、その魂の海よりひとつの雫がこぼれ落ち、それが肉体へと宿るとされている。
しかしこの時、魂の海より雫がこぼれ落ちる際、その魂によって同じ質量であっても、その輝きと価値には大きな差異が存在するとされている。
いわば同じサイズの雫であっても、そこには石で構成された雫と、ダイヤモンドで構成された雫との差異が存在する。
こうした生まれた瞬間に宿した魂の価値、すなわち
それはこの世界において、ある種の残酷な資質となる。
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その人物が生まれた際、その者に宿る魂の量は単一のものであるが、その魂の価値が他と同じ単一の価値や重さとは限らない。
ひとりの肉体に宿る魂にはそれぞれ異なった重さや輝き、価値が存在し、その者が宿した魂の価値には凡人の数倍の輝きがあることが存在する。
これが「魂の宝石」と呼ばれるもの。
こうした普通の魂とは異なる輝きと価値を持った者達の魂を区別するべく、大きく五つの段階に分けて判別をしている。
通常の魂の輝きと価値を持つ魂を「タルク・スピリット」と、最高ランクの輝きを秘めた魂を「アルマース・スピリット」と呼ぶ。
例えるなら、それは石ころとダイヤモンド並の差があり、一般のタルクスピリットを宿した人間では、アルマース級の魂を宿した人間を傷をつけることは困難とされる。
こうした肉体に宿る以前の魂自体に価値や輝きが存在するため、そうした魂を宿した生まれた人物の多くが歴史上の英雄、あるいは魔人、あるいは魔王とそうした 歴史を動かす中心人物となる。
■タルク・スピリット(石の魂)
一般の人間が宿す魂の価値であり輝き。
タルクという言葉が示す通り、文字通りそこらに存在する普通の人々と変わらない魂の価値であり、一般的人間の限界を超える事はまずない。
魂の練度を経てもそれは変わらずあくまでも人が到達出来る限界地点までしか到達することは出来ない。
この為、魂の練度を行ったカルサイト・スピリット以上を魂を持つ者と対峙すればその差は明確な差となり表れる。
■カルサイト・スピリット(鉱石の魂)
凡人の中でも頭一つ飛びぬけた才能を持つ者達が持つ魂の輝きであり、その宝石の名称。
生まれた時点では他と変わらぬ部分が多いが、一般に出来ぬことを成し遂げられる才能を持ち、魂の錬度を行う事により達人と呼ばれる領域にも達する。
またこの領域より、肉体能力が人間のそれを上回ることが可能であり、同規模またはそれ以上の魂の宝石を持つ者でなければ、戦い合うどころか傷をつけることすら困難になる。
エスペランサーのプレイヤーキャラクターがこの魂の宝石を有しており、魔族が有する最低限の魂の宝石もこの規模からであり、彼らの脅威性や人間離れした能力や肉体機能の説明はここから説明できる。
■トパズ・スピリット(黄玉の魂)
俗に言う天賦の才を持つ者達の魂の宝石。
この魂を持つ者達は生まれた瞬間から他とは異なる能力や才能を宿しており、魂の錬度を行わずとも、己が石ころではなく宝石としての価値を有している事に自覚することとなる。
良くも悪くも、この魂の宝石を持った人物は生まれたその瞬間から、後の人生が決定付けられると言っても過言ではない。
このトパズ級から魂の錬度を行うことにより、あらゆる世代において無双の強さを手にし、一騎当千としての力を身につけるであろう。
歴史上、英雄と呼ばれる者達の多くがこの魂の宝石を有し、この宝石を宿した者達は一人の例外もなく何らかの形で歴史に名を刻んでいる。
この魂の宝石に該当するキャラクターはエスペランサーリプレイの主人公イオス、ディゼル、メドウなどが該当し、人類の頂点と呼ばれるエデン八王や、アノルファ騎士団の数人、魔王の側近なども含まれる。
■コランダム・スピリット(鋼玉の魂)
世界の異端とも呼べるほどの質量、輝きを秘めたまさに宝石と呼ぶに相応しい魂の宝石のランク。
生まれた瞬間より魂の練度を行わずとも完成された肉体強度、能力を有しており、それはまさに魔王、神とも呼べるほどの領域でもある。
この魂の宝石に該当するキャラクターは五大魔王、剣聖などである。
■アルマース・スピリット(金剛の魂)
これまでのコランダム以下の四つの魂の宝石(価値)とは文字通り次元を別にするほどの価値、魂の宝石。
それはまさにダイヤモンドと同じ硬さと価値を有した存在であり、生まれた瞬間からすでに完成された肉体強度、精神耐性を有しており、その圧倒的魂の輝きと力によりコランダム以下の魂の宝石を持つ者であれば息苦しささえ覚え、カルサイト以下であれば、肉体と魂がその圧に耐えられず死に至る程である。
もはや形容すら出来ないほどの領域であり、コランダム級の魂の宝石を持つ者でも、このアルマース級の者には一切太刀打ちできず、天地ほどの差が開くという。
このアルマース級の魂の宝石を有する人物は現在のところ不敗の覇王フォルクスただ一人である。彼が持つ傷を一切受けぬ無敗の肉体強度はここから来ている。
■魂の錬度(スピリット・ポリシング)
魂の錬度とはその人物が有する魂の宝石をその本来の価値にまで引き上げ、それに似合った能力、肉体機能を備える為の手段であり、それは文字通り原石を宝石として輝かせるための研磨、鍛錬である。
通常、この魂の錬度を行うには様々な方法があるとされるが、その第一条件として己の魂の価値を十分に理解し、そこから何を引き出すか明確に意識する事が重要とされる。
聖十騎士団第六忠義騎士ロベルトいわく、戦いにおいて魂の宝石より魂の錬度の方が重要と説く。
いくら宝石としての価値を持った人物であろうとも研磨されない宝石は石と何ら変わらない輝きと価値である。
この魂の錬度を行う事により、トパズ・スピリットの持ち主がコランダム・スピリットの持ち主に匹敵する事も可能となる。
事実、高い魂の宝石を有する者がこの錬度を行うことにより、その肉体強度は常軌を逸し、同規模の魂の宝石と錬度を行った人物でなければ傷をつける事すら困難となり、極端な話、一般人による攻撃や武器などでは文字通り傷を負うことすらない存在になる。
また錬度によって備わる能力は錬力、硬気、瞬足の三つが主な部分としてあげられる。
錬力がいわゆる攻撃性能の高さ、硬気が肉体強度の高さ、防御性能を表し、瞬足がスピード、単純な速さを表す。
通常は錬度によってこれら三つの要素がバランスよく上昇し、必要に応じて各能力の一時的な上昇、それに伴う減少が行われる。
しかし稀に本人の魂の性質の影響により一つの部分のみが飛びぬけて成長する者も存在し、そうした者はいわゆる突出型の才能と言える。
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