用語辞典⑤

■英雄

 エル=ユーナには様々な歴史的英雄が多数存在する。

 彼ら一人一人がその時代の救世主であり一つの歴史を築いた人物であり、今ある世界の 架け橋となった人物達である。

 彼らの事を多くの人々は「希望を切り拓く者エスペランサー」と呼び、今尚多くの伝承として彼らの生き様を記録している。

 ここではそんなエル=ユーナに存在した多くの英雄たちの中でも特に偉業を成し遂げた人物達の紹介をしていきましょう。


■【三英雄】

 エル=ユーナの歴史において最古のそして最強の英雄と呼ばれる者達。

 剣聖アーク=フェイルを初め、神話の終わりから人類の歴史の始まりにかけて、魔王の死後その影響で混沌とした世界に一筋の希望と平和を作り出 した英雄たち。


■“剣聖”アーク=フェイル

 用語辞典①にて記載。


■“空の申し子”オシリス=M=サムナー

 アーク=フェイルと共に災厄の時代にて希望を切り拓いた英雄の一人。

 空王エデンの息子と呼ばれ、空王の力や素質をそのまま引き継いだとされる人物。

 しかし実際のところ、このオシリスという人物についての記録が少なく謎が多い。

 アークと共に活躍した英雄であったが、アークの死後突如としてその姿が歴史から消える。

 それ以後、彼に関する記録は全く無く、魔族に殺されたとも、オシリスという人物自体が架空の存在では無いかと言われている。


■“神器の英雄”ヴァリス=マグナム

 災厄の時代を切り裂いた三英雄の一人にして歴史上、最も神器に選ばれた人物。

 文献によれば彼はたった一人で「命刀」「蒼剣」「絶斧」「輝槍」を使いこなしたと言われる。

 状況に応じて使い分ける神器を選び、四つの神器の力と鍛えぬいた己の技量により多くの魔族を倒したとされる。

 また眠りの皇帝に堕ちる前のエルドラードのフラグメントであったヒュプノプスより小さい頃から剣技を教わり、親子のように仲の良い関係であったとされる。

 アークと共に混沌の時代にて多くの魔族と対峙し、活躍していくも、その戦いの中で彼は命を落す事となり、その際に四つの神器は彼を最 後に看取ったウォーレム族の少女へと託される。


■“紫の賢者”レイヤ=リムライト

 まだ神話の時代が終わりを告げ、混沌の時代から人の時代の黎明期にかけて存在したと言われる伝説的な人物。

 現在、世界に伝わる天術という力の基礎と基盤を人々に伝えた存在。彼個人に関して書かれた記録は少ない。

 彼はいかなる組織にも属さず他人からの強制も受けなかった。

 各地に残る伝承の中には必ずこの紫の賢者が存在が確認されている。

 しかも驚くべき 事にそれぞれの伝説が記された時期を統合すると彼はわずか数年の間に世界の端から端まで巡った事になる。

 それも一定のルートではなく完全に ランダムな形での移動である。

 しかも彼が活動していた時間は300年以上にも及びここまで来ると彼の実在を疑いたくなるが、全ての伝説にレイヤ= リムライトの名が記されている以上、実在を信じないわけにはいかない。

 このため、彼は歴史の黎明に存在した多くの英雄との邂逅を得ている、アーク=フェイル、オシリス=M=サムナー、ヴァリス=マグナム三英雄はもちろん、剣祖と呼ばれるガイン=デュラールにアリアス=ロッドロウ、ローティ ス=アルプレア、彼らと出会い、その目的の協力や進むべき道を示したともされる。

 またこのように神出鬼没な彼の存在は登場と同じく唐突に歴史からその姿を消している。

 神学者の中にはレイヤ=リムライトの紫の髪や神話に描か れた空王エデンとの類似点が高く「紫の賢者=空王エデン」との仮説を唱える者もいるが、現在でも未だその正体や出生が解明されていない謎の人 物である。


■“剣祖”ガイン=デュラール

 人類最古の剣王にして、歴史上最高の剣士と言われる人物。

 彼自身は一切の特殊な能力(神器の所有者や地脈、天術)を持たない人物 であり、彼が持っていたのはただ一つ、鍛えあげた己自身の腕、すなわち剣技のみであった。

 彼は多くの魔族をその剣で屠り、それだけではなく多くの武人や剣客達を薙ぎ払い、その時代における最強の剣士の称号を手にしていた。

 また彼の 腕に惚れこみ、その弟子となる者や教えを乞う者も多く存在し、現在までに伝えられている流派の多くがこの剣祖の影響を受けた者、あるいはその弟 子であった者がルーツとなり、このため後の歴史家より“剣祖”という称号を与えられる。

 60近くとなった際、彼は視力を失いそれまで常に戦場で戦い続けた彼が、山中深くへ身を隠す事となる。

 だがそれは剣士としての己を捨てたわけではなく、死期を悟った彼が視力を失ってなお剣の道を求め修行を重ねるための行為であった。

 そうして数年 の歳月の後に彼は【四諦剣】の一つ心眼剣の極地へと遂にその足を踏み入れる。

 この後、僅か一年にも満たない寿命であったが、最後の瞬間まで剣を握り剣の道を歩いたガインはまさに剣祖の最後に相応しい死をこの時代の人間 のみならず、後の歴史へと刻み込んだ。史実によると結構な酒豪であったと伝えられている。


■“悠久鳥”アリアス=ロッドロウ

 ぺガススの少年にして後に世界史にもその名を刻んだ探求者の祖にして探求王の異名を持つ英雄。

 200年の沈黙の時代にて世界を巡り、五つの大陸とスギラナ島やカルデック島を発見した人物。

 この時代、五つの大陸はまだお互いの存在を認知し ていない時期でもあり、このアリアスの探求の旅によってそれぞれの大陸の正確な場所が発覚し、この後大陸同士を結ぶ切欠を作った。

 また世界で 始めて正確な世界地図を作った人物であり、それら全て彼が自らの足で向かい、自らの瞳で見たものをそのまま書き映した代物である。

 現在の時代で製作されている世界地図と見比べても見劣りしないほど正確な世界地図であり、当時の常識を大きく変える物であったと伝えられる。

 彼に憧れ、多くのものが彼のような探求者になろうと志を持ち、これにより探求者という職業が生まれ、自分を慕う者や初心者探求者を補佐・サポート するために彼が立ち上げたのが現在の探求者ギルドの原形であったと伝えられる。

 彼の最後はギルド建設の途中で事故にあった少年を庇い、その傷が原因で彼は自らの最後の夢を載せたギルドの設立を見ることなくこの世を去っ た。


■“悠久鈴”ローティス=アルプレア

 悠久鳥アリアスの生涯の恋人であった人物。

 イルフェーナであり彼女は紫の賢者レイヤ=リムライトの弟子であったと伝えられ、当時では考えられ ないほどの天力と天術を備えていたと言われる。

 アリアスとこのローティスの出会いは喜劇として語られるほど面白い出会いであったと言われる。

 アリアスと共に世界の全てを巡った人物であり、アリアスをずっと傍で支え彼女がいなければアリアスは途中で野垂れ死んでいただろと言われている。

  二人は結婚こそしなかったものの、互いを結ぶ絆や愛情は誰よりも深くただ共にいるだけで何よりお互いの心が満たされていたと当時の人々は二人 の様子を語り伝える。

 アリアスが不慮の事故により死した際、彼の意志を継ぎ探求者ギルドを立ち上げた人物であり、探求者達の母と呼ばれるようになる。

 この後、ローテ ィスは初代探求者ギルドの総取り締まり役を務め、また生涯独身を貫いたという。

 彼女の二つ名にあたる“悠久鈴”は悠久鳥の恋人でありツインテールを結ぶ二つの大きな鈴から来ている。



■【銀の太陽】

 200年の沈黙が終了し、世界が再び魔族の脅威に侵され、中でも南の大陸にてその脅威を振るった眠りの皇帝・ヒュプノプスを打ち倒すべく六人の英雄が集い、一つのチームとして絆を繋いだ。

 これが歴史上有名な英雄チーム【銀の太陽】であり、全員が神器の担い手であったというまさに時代の 英雄達であった。

 彼らが結成されたのは最後のメンバーであるノエルとケルトが他の四人とフォブリアにある雪山の頂にて出会い。

 チームとしての名を決めようとした時 に太陽が昇り、その光景を見たロイが「銀の太陽」と提示し、これが全員の一致により決定をした。


■“銀の乙女”ノエル=テリッサ

 銀の大陸フォブリア出身の少女。

 もとは平民の少女であり、両親と幸せに暮らしていた際に魔族の襲来を受け家族の死をきっかけに彼女は武器を 取り戦う決意をする。

 この時、幼馴染でもあったケルトも彼女と共に戦う誓いを立て二人は共にフォブリアに存在する多くの魔族達を倒していった。

 こ の後、ムーヴェリアスより渡って来たアラウとロイに出会い、アラウより輝槍の神器を託されムーヴェリアスを永劫不変なる眠りの世界へと閉じさせよ うとしていた魔王ヒュプノプスを打ち倒す。

 その後、故郷に帰り恋人でもあったサファランと幸せな人生を歩もうとした瞬間、タナトスの裏切りに合い彼女は自らの命を犠牲としてタナトスを迎撃し、自らもまたサファランの腕の中で眠る。

 復讐のために生きた少女が始めて誰かを愛し、幸せを得ようとした目前、それを掴めなかった事に涙し、彼女を題材として悲哀の歌や創作物が後の歴史にて 数多く出ることとなる。


■“紅蓮王”ロイ=アーデルハイド

 熱砂の大陸ムーヴェリアス出身の英雄にしてイングラス王国の若き国王でもあった人物。

 最初にアラウに神器を託され、その担い手となった人物。

  絶斧の所有者であり、当時ムーヴェリアス大陸を永劫不変の眠りの世界へと変えようとしていたヒュプノプスを打ち倒そうと試みるも自分とアラウのみ では不可能であると悟り、アラウの進言に従いフォブリア大陸にて残る神器の所有者を探す旅に出る。

 その旅の中で【神の代行者トゥアハ・デ・ダナーン】の一人にしてレギオンの扉を開こうとした第二代行者ユーグ・ソランを倒しレギオンの扉をアラウと共に封じる。

 その後、レオナード、タナトス、ケルト、そしてノエルと出会い、彼らと共に【銀の太陽】を結成、実質的六人のリーダー的存在となる。

 この後、ムーヴェリアスへと帰還したロイはノエル達の力を借り、遂にヒュプノプスを打ち破り自らの王国の危機を救済する。

 しかしこの後、タナトスの裏切りに合いロイはアラウを庇い、その命を落す。

 最後の彼が残した絶斧はアラウが後のレギオンの扉の脅威に備えるためにかつて、レギオンの扉を封じた地(後にテラスト王国が建国する場所)にて封印する事となる。

 若く指導力に満ちた人物であり、男前な容姿をしていたため、当時の女性たちから多くの人気を得ていたが、それに反し内面はとても純情な少年のような心の持ち主であり特に恋愛事に関してはかなりの奥手であったと言われる。

 アラウと出会い、彼女に恋をし告白をするまで3年近くもかかっており、これは出会ってからヒュプノプスを倒すまでの時間でもあった。

 またプロポーズ の際には彼女の好物であった蜂蜜を樽いっぱいに抱えて贈ったとされ、このエピソードは現在でも有名な逸話として語り継がれている。


■“金色の猛虎”レオナード=ロンバルト

 銀の大陸フォブリア出身の英雄であり、当時大陸で最も栄華を誇ったトロア帝国の第三皇子であった。

 当時魔族の襲撃により第一皇子と第 二皇子が殺害され、父王も病で倒れ混乱を極めていた時にムーヴェリアスから渡って来たアラウとロイに蒼剣を託され、その所持者となり自身の力と 神器の象徴を持って帝国の分裂を防ぎ、後に第6代皇帝となる。

 しかし、このレオナードは戦場においては比べる者もない英雄であったが、内政においては愚帝として伝えられていた。

 政治に関する取締りや管理はずさんであり、また散財癖もあったレオナードはヒュプノプスとタナトスとの激戦を生き残り己の英雄としての存在に絶対 の自信を持っていたため自身の政治政策を顧みる事もなく、その統治は暴君と呼べるものへと変わっていった。これにあきれ果てた側近や民はレイク ス地方をその政治手腕と安定した統治を行なうもう一人の英雄ケルトの方に心が向かい、首都にいた多くの者がケルトが治める都市ノインキルスへ と移り去ったと行ったとされる。

 しだいに自身の領土の一角にて自国を上回る勢力が結成されるのではと疑心が生まれ始めたレオナードの耳にケルトが帝国への転覆を密かに企て ているという噂が入る。

 これによりレオナードはケルトの暗殺を謀るも失敗し、それを口実としてケルトは軍を動かし暴君レオナードを討伐する正式な口実を手にして、やがて フォブリア大陸は蒼剣の所有者である帝国の皇帝レオナードと、命刀の所有者でもあるケルトによる戦いにより大きく二分される事となる。結果、この 戦争においてレオナードが敗北を喫し、トロア帝国の時代は幕を降ろし、ケルトによるロータルランド公国が新たに建国される事となる。


■“知略の奸雄 ”ケルト=フランド=ディオニアシス

 銀の大陸フォブリア出身にしてトロア帝国に属する領地レイクス地方を治める公爵。

 またノエルはこのケルトが治める都市ノインキルスの出身者であ り、二人は幼馴染のような関係であった(ノエルに取ってケルトは兄のような存在だっと言われる)

 ケルトはノエルに対して恋心を抱いていたが、そのノエルがサファランと結ばれたのを知った時、彼はノエルに気持ちを打ち明ける事無く身を引いたとされる。

 ノエルと共に戦った彼の本当の理由も、単にノエルを護るためだったとも伝えられている。

 後にアラウより託された命刀の所有者となる。

 知略に優れ、戦術や戦略のみならず歴代の名君とも並び立つほどの政治手腕を持ち、彼自身もまた一 地方の領主としては終わらない野望を持っていた。

 タナトスの奇襲を受け、利き腕の左手が破壊され、以後は右手で刀の扱いを含め日常上生活を右手で代用するようになる。

 ノエルの死がきっかけとなり、手段を問わない冷酷な人物になったと言われ、その姦計を持ってレオナードを陥れ、トロア帝国を滅ぼし新たにロータル ランド公国を建国し、その初代公爵となる。

 彼の政治や統治はその最後まで乱れる事無く安定した統治者としては歴史に名を残す名君であったと伝 えられる。


■“褐色の封印者”アラウ=スー

 南の大陸ムーヴェリアスに存在する今は絶滅したロアドゥ族のウォーレムの少女。

 かつて“神器の英雄”ヴァリスより四つの神器を託された少女の 子孫であり、空王エデンから託された翼弓の所有者として選ばれた人物。

 200年の沈黙を破り、再び活動を開始した魔族と眠りの皇帝を打ち倒すべく、一族に託された四つの神器に選ばれた所有者を探す旅に出る。

 そうして 最初に出会ったのがロイであり、後に彼からのプロポーズを受けて婚約相手となる。

 【銀の太陽】達に神器を託した神託の巫女であり、ウォーレム達に取っては伝説的な存在。

 ヒュプノプスを倒した後、タナトスの裏切りに合い、重傷を負うもロイのおかげにより生き残る事ができた。

 その後、絶斧を封印し自らの神器でもあった翼弓を己の部族であるロアドゥ族の集落に託しその姿は歴史上の表舞台より消える。

 彼女がロイから蜂蜜をもらいプロポーズを受けた日を今日では「アラウデー」と呼び親しみ、この日は男性が好きな女性に蜂蜜を贈るというイベントが 行なわれるようになる。


■“反逆王”タナトス

 銀の大陸フォブリアを支配する魔王にして死の王。

 しかしその正体は隠しタナトスは神器・皇鎌の持ち主として【銀の太陽】の一人となる。

 その理由 は自らが喰らうべき存在を求めていた彼がこの【銀の太陽】と呼ばれる英雄たちに出会い、彼らが真に自分が喰らうに相応しい存在か見極めるためである。

 また彼らを利用してヒュプノプスを抹殺した後に王が不在となったムーヴェリアスを支配する目論見も立てていた。

 ヒュプノプスがノエル達の 手によって倒され、タナトスは【銀の太陽】の全員を喰らうに値すると判断するや否や全員に贄の刻印を与え、ロイを始め【銀の太陽】全員へとその牙を向ける。

 そして銀の乙女ノエルの命をその手で奪うも、彼女が放った最後の一撃を受け、それ以後500年に渡る休眠を余儀なくされない手傷を負うこととなる。


■“詩渡りの祖”サファラン=ノースベリー

 銀の大陸フォブリア出身の吟遊詩人にして詩渡りの祖と呼ばれる人物。

 この時代、まだノア帝国時代の名残があり、世界に伝わる音楽は一色音に支配されていた。

 フルートによる演奏はフルートのみ、ピアノによる演奏はピアノのみ、歌声は歌声のみ。

 このような常識に捕らわれた時代にあってサファランはそれぞれの音を混じり合わせ演奏すると言う現在の音楽のルーツとなった画期的音楽を生み 出す。

 当時の人々の多くはサファランのこの演奏に驚き、そしてまた多くの賞賛を与えた。

 そんなおり、立ち寄った街で出会った一人の少女ノエルと恋に落ちる。

 サファランはノエルに多くの音楽を教えるが、やがてノエルの両親が魔族達の 襲撃によって命を落とし、ノエルが戦いに身を投じると共にサファランもノエルと共に戦う決意をし、それまで攻撃性能の低かった海鳴に新たに攻撃能 力を持つ<波紋ハヌマーン>シリーズを作り出す。文献によればサファランはノエルと共に旅を続けるも【銀の太陽】が結成し、戦いが熾烈になり南 の大陸へと移る頃、ノエルはサファランにフォブリアに残って欲しいと伝える。

 これは自分たちがいない間、フォブリアの人々を護って欲しいと同時に自 分に取って大切な人物でもあるサファランをこれ以上苛烈な戦いに巻き込まないためのノエルなりの優しさであった。

 そんなノエルの心を理解していたサファランは大陸に残り、彼女が帰る場所を護る事となる。そうしてヒュプノプスを打ち倒したノエルと再会を果たすサ ファランであったが、その直後にノエルはタナトスの裏切りに合い、命を落す。

 この後、サファランは恋人であったノエルを想い彼女の生涯を語った悲哀の歌を後世へと捧げ、後の人生の全てを<波紋>シリーズを初めとする攻撃 能力を持つ海鳴音の製作に費やした。

 彼が生み出した「詩渡りサファラン」というクラスに存在する多くの海鳴にはもう二度と自分と同じ想いをする者 を減るようにという願いが込められていた。



■【七賢】

 今から500年ほど前に北の大陸にて再び復活を遂げた死の王タナトスを打ち破り、その時代における魔族達の脅威を滅ぼしたとされる七人の英雄。

  グレストを始め、新しい歴史や国にを作り上げた者達が存在する。


■“隻眼の王者”グレスト=F=レヴァントス

 500年前に生まれた世界の異端にして真なる“天才”。

 生まれながらに「空」の属性を持ち、世界に残された全ての天術を僅か15で体得し、更には 新たなる天術や空の術を生み出したと言われる。

 バサルトとは幼い頃からの親友同士。

 ロアドゥ一族全てが滅ぼされ復讐を誓う友に協力する形で魔 族との戦いに身を投じる。

 天術のみならず武術に優れ、あらゆる分野において天才的素質を見せる。

 タナトスを打ち倒すも、やがて真実を知り復讐心 と宿した魔王の呪いに侵され世界の敵となろうとしていたバサルトを彼の懇願によってその手で殺める。

 この時の戦いにより左目を失う。

 その後、エデン帝国を立ち上げ現在でも世界最強の人類と呼ばれし空王。

 当時は結構な皮肉屋であり、人をからかうのが趣味のような部分を持ち合わせ、このためイフからは「性根が腐りきっている」と評価される。


■“アルフェスの聖女”アイシス=ミレルド=パルネック

 美しいイルフェーナの聖女。

 現在、銀の学院の学院長を務めるパルティアの母親にしてミレスの祖母にあたる女性。

 当時、アルフェスにおいて聖女と呼ばれるほど陽天術、海鳴の能力に優れた英雄。

 魔族を討伐するために旅を続けるグレスト達と出会い、その際にひょんなことからグレストに恋心を抱き彼と共に同行し、やがて七賢の一人と称される ようになる。


■“石の英雄”バサルト=レキリアム

 グレストの親友にして今は絶滅したロアドゥ族の生き残り。

 ロアドゥ族の族長の息子にして将来を有望された人物。

 家族や恋人を含め、一族全員が魔族によって滅ぼされ復讐を誓い、それがきっかけとして旅立つことに。

 生まれつき左腕に奇妙な痣があったが、実はこれこそが【魔王の呪い】の一つ【石化の腕】であり、彼はその正当継承者であった。

 やがて、一族が滅ぼされた原因を知るうちに彼が宿す【魔王の呪い】も覚醒を始めめ、故郷を滅ぼした元凶のひとつである死の王を倒すものの完全覚醒した【石化の腕】に飲み込まれ殺戮者へと堕ちる。

 しかし、最後に残っ た良心により親友でもあるグレストに討たれることを望む。

 これは伝えられなかった物語であり、バサルト=レキリアムは最後まで英雄として戦い、散ったと七賢よりそう伝えられている。


■“聖王”ユベリウス=ルーツ=パートローム

 マクスウェル第十被験体にして後のセファナード教国の教皇。

 七賢メンバーの当時はまだ教皇ではなく、枢機卿という地位にあった。

 セファナード教国にてグレスト達と出会った彼は自らの目的のためにグレスト達と協力しあったというが、その関係は仲間というよりも互いに利用し利用される関係であったとされる。

 割と傲慢で不遜な態度は昔からの性分らしく、グレストとは似た者同士ゆえか気が合ったが、その一方で同族嫌悪のような感情も存在した。


■“不死の騎士”ベルセルス

 マクスウェル第九被験体にして七賢の一人。

 ユベリウスと共に行動を同じくする不死の騎士。

 ユベリウス以外の者の命令を聞くことはなく、当初は不気味がられた。

 またグレストによるとこの当時はベルセルスにはまだ元の人格の魂が残っていたらしく、自分の意志で行動する部分も見られたと語る。

 単独で死の王タナトスと渡り合い、そのタナトスにすら「化け物」と称される。


■“緑天統”ラシュム=ジラックス

 イフと同じく、この時代エデン最後のフラグメントと言われる人物。

 医術に関する知識や技術を高く持ち、グレスト達と出会うまでは医師をやってい た。

 しかし大陸の魔族達の侵攻や死の王の脅威に怯える人々を見て、彼らのために戦う決意をする。

 学者肌な一面も持っており、かつて神話の時代に失われた空王エデンが座していた浮遊帝国に対し、深い興味を見せる。

 後にグレストと共にエデン帝国の発見と再建を行った人物でもあり、その地に眠る禁忌の実の存在を知る数少ない人物。

 当初はグレストと共にエデン帝国の建国に力を貸し、重役な任も与えられるが、しばらく経った後、自身の力が必要なくなったと悟るや否や本来の医 師としての職業に戻り、現在も世界的に知られる名医として存在する。

 実はイフに惚れていたらしいが当のイフは今でもそれに気づいていない。


■“嵐の魔女”イフ

 エデンの血肉を受け継ぐ最後のフラグメントと呼ばれる少女。

 この時、イフは見た目通りの13歳ほどの少女であり、彼女の両親もまたエデンのフラグ メントであったが長い年月を生き続け、イフを産み落とした後、ほどなく亡くなる。

 この時代、まだ天術に関する知識を独自で研究し、様々な事に熱心に興味を持っていたグレストは空王エデンと同じ空属性を持つ天才グレストに出 会い、その存在に惹かれて共に行動をする。

 後に七賢の一人と言われ、彼らとの旅の中で様々な経験を積む、現在の嵐の魔女としての実力を身に付けたと言われる。

 本人は七賢であった頃は自分の黒歴史と称し、ほとんどの歴史書においても自分の存在があいまいに書れるように色々工作をしたとか何とか。



■【ロー大陸の英雄】

 別名争いの大陸と呼ばれる世界最大の大陸ロー。

 この大陸には他の歴史よりも長く大きい戦いの歴史が刻まれていた。

 それは人として魔族と戦った英雄記であり、大陸の統治を賭けて争う人と人の戦記であったり、様々である。

 ここではそんな争いの大陸において、歴史に名を残すほどの偉業、活躍を行なった英雄達を一部紹介をしよう。


■“征服帝”ルードヴィッヒ一世

 かつて800程昔にロー大陸を支配していた強国バッズダード大国を連合を率いて打ち倒した海から渡って来た英雄。

 大国を滅ぼした後にその地に残ったルードヴィッヒは自分を慕う者達と共にシルバーベル帝国を建国。

 当初は己が領土のみの支配を行なっていたが、大国が倒れた事により次の大陸の支配権を賭けてロー大陸に存在する各国が争う戦国時代へと変わっていき、この時代の流れに乗ったルード ヴィッヒは自ら陣頭に立ち、大陸統一と言う野望を掲げロー大陸に存在する各国を飲み込んで行く。

 それは正に戦争の天才に相応しい常勝振りを見 せつけ“征服帝”の異名をも付けられる。

 最終的に彼は東の王者オウリ率いるグレイスラ・フォレスト連合と大陸を二分するほどに至り、オウリとの最終決戦において痛み分けで引き上げるも、 あと一歩と言うところまで大陸統治を行なう。その野望達成を目前にして病に倒れ、彼の死と同時にシルバーベル帝国は後継者でもあるヨハンに よって内側から乗っ取られ、偉大なる征服帝と彼によって建国された一代限りの帝国の歴史は幕を降ろす。

 ルードヴィッヒは戦争の腕のみならず政治 や統治に関しても得難い才能を持ち合わせ、征服者ではあったが歴史上希に見る名君であったと言われる。

 また常勝を誇るルードヴィッヒが生涯最 後まで勝てなかった相手こそ“ルーマの英雄”ジークフリートであり、彼が無念の死を遂げた時、誰よりもその死を惜しんだと言われる。


■“ルーマの英雄”ジークフリート

 ルーマ王国の第一王位継承者であり、歴史上唯一征服帝を完膚なきまでに敗北させた天才的戦術家にして英雄、それがこのジークフリートである。

 当時ルーマ王国の領土や兵はルードヴィッヒ率いるシルバーベル帝国の半分にも満たなかったが、王国から全指揮権を委ねられたジークフリート がルーマへと侵攻するルードヴィッヒの軍勢を山脈の狭い断崖での挟撃作戦を展開し、ルードヴィッヒの軍勢に多大な被害を与え撤退させる事に成 功する。

 これ以後、ルーマへと再侵攻するルードヴィッヒの軍勢を数度に渡り退き、後にルードヴッヒはジークフリートこそが己が越えるべき宿敵と称する。

 こう して自国のみならず他国にもその武勇が知れ渡ったジークフリートだったが、ある時父王の命令によりエストネアと呼ばれる小国の姫シャムロックと 婚約する事になる。

 シャムロックとの婚約は突然のものであったらがジークフリートは彼女の心優しい性格に惹かれ、シャムロックもまたジークフリート を心から愛したとされる。

 しかし、この結婚の裏に隠された真実は父王による大陸制覇と言う野望であった。

 エストネアにはある隠された遺産が存在 すると言われ、ルーマの国王はその遺産の力と己の息子の才能を持ってしてロー大陸の支配を行なおうと目論んでいた。

 しかしその事に気づいたジークフリートはエストネアよりルーマ王国の首都へと帰還せず、父王からの要求に対して拒み続ける。

 これに激怒した父王はジークフリートとエストネアを討つべく兵を上げる。

 ジークフリートと共にエストネアに渡った兵は僅かであり、エストネア本国に戦 力となる兵が少ない事を知っていた父王は己でもジークフリートを討てると確信したためである。

 しかし会戦直前にして父王は病により急死。

 これを知ったジークフリートはルーマ王国を奪還するべく即座に軍を進める。

 この時、家臣達の要求によりジークフリートの弟でもあり、第二王位継承者でもあったエリックが王位を継ぐ事となる。

 結果、ジークフリートは弟エリックが仕掛けた多重陣形の前にあと一歩で本陣というところまで来て斃れる事となる。

 こうしてルーマの英雄は非業の死を遂げたとされるが、彼は死によってエストネアとそこにある遺産の存在を守り抜き、それ以後、誰の手にも触れら れることなくエストネアに存在した遺産は歴史の闇へと消える。


■“遠征王”シーザー

 当時バッズダード大国を倒すためルードヴィッヒと共に戦いぬいた連合軍の一人。

 グレイスラ王国の第一王位継承者であり、時期国王たる人物。

  バッズダード大国滅亡後、彼はルードヴィッヒより異国、即ち他の大陸の話しを聞きそれに大いに興味をそそられた彼は自分に従う者達を連れて世界 を見るための旅に出る決意をする。

 自分が変えるまで王座は空けて置いてくれと父に伝えた彼はその足で船に乗り継ぎ、他の大陸を目指し遠征の旅に出る。

 こうしてスギラナ島を始め、ムーヴェリアス、フォブリア、エルフェナと様々な大陸を旅し、遠征王の異名で呼ばれる彼はエルフェナにて馬鳥族と呼ば れる部族との争いにより、領地を奪われつつあったヤマト族へ助力する事となる。

 このシーザーの助力のおかげでヤマト族は自らの領地を護り一族の危機を回避する事となる。

 シーザーに救われたヤマト族は恩義に厚い一族であり シーザーの助力に対し、自分たち一族が生涯彼に仕えると誓いを立てる。

 この後、シーザーはヤマト族の族長の娘と恋に落ち、彼女との間に二人の子供を授かる。

 様々な大陸を遠征したシーザーが最も長く留まったのがこの地であったが、やがてシーザーの下に一つの訃報が届けられる。

 それが本国において国王、シーザーの父が崩御したという知らせ。

 シーザーは即座に兵を集結させ、本国に戻る準備を整える。

 こうして本国へと戻ったシーザーを待っていたのは家臣達による裏切りによる暗殺。

 ヤマトの地にて娶った自分の妻と息子達にすぐに戻ると約束を果たすも、結局それは果たされずに終わる。


■“東の王者”オウリ=シリン

 現在のグレイスラ帝国でもその名が伝えられし英雄王。

 遠征王でもあるシーザーの息子であり、ヤマト族の血を受け継ぐ少年。

 シーザーとヤマト族 の族長の娘との間に生まれた双子の兄弟の内、兄にあたる人物。

 オウリは自分の父がロー大陸に存在するグレイスラ王国と呼ばれる国の王である ことを知り、尊敬する父と自分たちの故郷にあたるグレイスラが家臣達の欲望によって穢されている事知った彼は父の跡を継ぎ王国を解放するために ロー大陸にあるグレイスラを目指す事となる。

 この時、彼の弟ユーリカは勿論、全てのヤマト族達がオウリと共にグレイスラへ向かう決意をする。

 オウリと共に付き従ったヤマト族達によりグレイスラ王国は奸臣達の手より解放され、オウリは正式なグレイスラの王となる。

 この時、オウリはロー大陸を己の野望のために征服を行なうルードヴィッヒの行為を聞き、彼の征服がグレイスラの間近まで迫っており、強い正義感 を持つ少年王は彼の暴挙を止める決意を行い、それに対する挑戦としてグレイスラ王国をグレイスラ帝国へと呼び名を変え、ルードヴィッヒと同じ皇帝 の称号を持って彼に対する挑戦とした。

 この当時オウリは若干16歳である。

 その後、オウリは弟ユーリカの宣言に従いフォレスト連合国と同盟を結びシルバーベル帝国との戦に赴く。

 その戦いの中でオウリとルードヴィッヒは互いに邂逅を果たし、ルードヴィッヒはオウリにかつて自分が越えられなかったジークフリートの面影を見て、 オウリこそが自分がロー大陸を制覇するために倒さなければならない最後の敵として認める。

 オウリもまたルードヴィッヒの剣や戦術の腕を認め、互いを己のライバルと認め合う関係を築く。

 この後、幾度となく戦場にて剣を交えた両者が遂に大陸を二分する最後の戦へと向かう。互いの領土の境界にて今まさに最後の戦いが幕を上げよう としたその時、オウリの下に一つの訃報が届けられる。それはエルフェナより共に渡って来た母がグレイスラの王城にて病に倒れ死の寸前であるという知らせ。

 オウリは弟・ユーリカの進言もあり、最後の母を看取るべく僅かな兵を連れて城へと馬を走らせる。

 しかしその途中で、オウリの行動を知ったレクイエの領主・ロレンスの計らいによりオウリは首都の眼前に位置する宿にて夜襲を受け無念の死を遂げる。

 これを知った弟・ユーリカはこの事実が敵・味方の両軍に知られれば自分たちが敗北すると悟り、ユーリカはオウリの衣装を身に纏い陣頭に立ち 戦いの開始を行なった。

 こうしてユーリカの機転により戦いは両軍の痛み分けに終わり、帰国したユーリカは兄と母二人の葬儀を執り行い、オウリの死はロー大陸全土に知 れ渡った。

 わずか19歳という若さでオウリはその名を伝説へと刻んだ。

 また余談だがオウリと言う人物の生き様や当時の文献や風聞によりかなりの美少年であったとされ、そのため国民的人気も高い彼は多くの吟遊詩 人達の詩テーマとされ、彼を主役とする舞台劇なども数多く見られる。


■“最後の勝利者”ヨハン=オットー=オルレイザー

 かつてルードヴィッヒが侵攻した際に彼の帝国に徹底抗戦を行ない、その結果滅ぼされ取り込まれた小国・アルフェス王国の生き残り王子。

 当時まだ10歳であったヨハンであるがアルフェス国王の血を受け継いだ人物でもあり、ルードヴィッヒの家臣達は後のことを考え始末するべきとルードヴィッ ヒに進言するが、ルードヴィッヒはその提案を取り下げ、このヨハンを自らの養子として遇する。

 これ以後、ヨハンはルードヴィッヒの隣りにてその 覇道を誰よりも間近で見ることとなり、彼の生き様や人柄に惚れこむ事となる。後に側近として十分な能力を身に付けたヨハンはルードヴィッヒの後継 者と呼ばれる存在となり、ルードヴィッヒの死後、彼を後継者と募る者が多く集まりルードヴィッヒの息子達と後継者の座をかけて対立を行う事となる。

 この時、ヨハンの他にもう一人ルードヴィッヒの後継者候補と呼ばれたのがシグルヴィアと呼ばれる人物であり、彼とヨハンはかつて戦場を共に駆 け回った戦友同士であった。

 しかし最終的にヨハンはシグルヴィアを自らの手で討ち取り帝国の継承権を正式に勝ち取る。

 この後、ヨハンはかつて自らの故郷であり、シルバーベル帝国に滅ぼされたアルフェス王国を興すこと事となり、シルバーベル帝国の領土をそのまま 土台としてアルフェスはロー大陸最大の国として再誕する。

 このため首都もかつてのアルフェス王国首都マフィテルへと首都移動している。

 結果としてあの時のルードヴィッヒの家臣達の進言通り、ヨハンによってシルバーベル帝国の歴史は潰える。

 しかし彼は「シルバーベル帝国は恨んでいたが、 ルードヴィッヒ様は恨めなかった」と語り、偉大なる征服帝を生涯最後まで尊敬し続けたと言われる。



■エスペランサーリプレイの物語

 ここではTRPGエスペランサーで行われたリプレイを歴史として記し、どのような物語やシナリオが展開されたのか、時代背景のひとつとして説明を行います。


■最後の皇帝編

 エルレザ暦902年にて起った物語。

 魔王の呪い【螺旋の創生】を持つ者が同時代に二人発生する事から起きた悲劇の物語。

 自国を救うためあえて覇道を歩む最後の皇帝と、仇を討つための力を欲し【螺旋の創生】の後継者となった二人の宿命の対決。


“幻想の創生者”ローウェル=ロッソ

 【螺旋の創生】の持ち主にして主人公。かつて家族を殺した男(腕に傷のある人物)を探し旅をしており、強い力を求める余り【螺旋の創生】の後継 者として選ばれる。しかし受け継いだ呪いは不完全なものであり、もう一人の後継者クラシスと戦うべき運命を悟り、クリオド帝国の存亡を掛けた死闘 の末に彼を打ち倒し、【螺旋の創生】の正統後継者となる。戦いの中で己の生き様と国を思うクラシスの心に動かされた彼はやがて歴代【螺旋の創 生】の持ち主の中で始めて二つの創生(クラシスの【螺旋の創生】能力)を行なえる人物となり、【螺旋の創生】から解放された後も唯一その呪いの特 性により殺されなかった英雄。

 また彼が受け継いだ【螺旋の創生】は初代と同じ【幻想の創生】。


“神秘の使い手”ダルト=モリス

 三つの神秘全てを使いこなし、高い才能の持ち主と評される人物。

 エデン皇帝グレストから直接、エデンへの勧誘をされた異例な人物。

 しかし最後の皇帝編における物語の中で空帝のやり方が気に入らずに最後にはその話しを蹴ってこの世界にある星の民の遺産を全て破壊する決意をする。


“最後の皇帝”クラシス=ディー=クレイヴレース

 【螺旋の創生】に選ばれたもう一人の人物。

 クリオド帝国の王位継承者であり、彼を快く思わない皇帝によって処刑されようとした瞬間に 【螺旋の創生】の後継者となる。

 その力を持って父王を殺害した彼は腐敗し、滅亡しかかっていた自国を救うために行動を起こす。

 しかし彼が皇位を継いだ時にはすでに国の寿命は尽きており、滅びの運命を変えることはできなかった。

 それでも星の民の遺産を手にしてその力を 持ってクリオド帝国に侵攻してくるエデンへと立ち向かうも、それら全て空帝グレストの思い描いた未来の通りであった。

 最後の瞬間、ローウェルとの死闘に己の最後の存在価値を見い出し、滅び行く故国の中で紅蓮の炎に包まれ彼は散る。

 クラシスが受け継いだ【螺旋の創生】は【無限の創造】、この世界に存在する人の手によって作られた武具を想いのままに無数に作り上げる。

 ただし これは“この世界において存在する武器”に限られており【幻想の創生】のように想像上の武器は作り出すことはできない。


“姫騎士”リト=ノーべ=クレイヴレース

 最後の皇帝編のヒロイン。

 クラシスの妹であり王女。

 しかし勝気で男勝りな少女であり、クーデターを起こした兄を憎みローウェル達の力を借りて 兄の打倒を決意する。

 最後の瞬間、兄が抱いていた国を想う気持ちに気づき、最後に兄を看取る。

 現在はローウェルと共に同行をしている。



■眠りの皇帝編

 エルレザ暦911年にて起った物語。

 南の大陸ムーヴェリアスの半分以上を支配していたアヴェスター教会とその最高指導者でもある聖十騎士団達と戦う宿命を背負った者達ディゼル、アルジェント、サクス、アリス四人の物語。

 二代目眠りの皇帝の崩御と三代目眠りの皇帝の誕生が行なわれ、これ以後のエル=ユーナの世界に大きな影響を与えた物語。


騎士狩りキリング・シュヴァリエ”ディゼル=オウディラス

 眠りの皇帝編の主人公。

 かつて故郷を謎の火災で失う。それ以後、都市トルギスにてパン屋のバイトをしつつ、ダグラスというニートの家で平穏な 日々を送っていた。

 ところがある時、母親の形見である指輪と同じ指輪をした少女アリスと出会い、彼の運命は大きく変わり始める。

 やがて聖十騎士団を狩りつく為の刃、“騎士狩りキリング・シュヴァリエ”の称号を得て、世界に未曾有の危機を呼び込む存在と対峙する事となる。

  三極剣の一つ、ナイトブレイカーの所持者。


“眠りの使い手”アルジェント

 地脈第一階位「眠り」の力を扱う亡きフェザード王国最後の騎士。

 レストとは同じ騎士仲間であった。

 王国が聖十騎士団の手によって滅ぼされた際 に女王シアリーを攫われ彼女を取り戻すための旅を行い、その道中でディゼル達と出会い“等価交換”という自身のルールに従い行動を共にする。


“剣客”サクス=一刀

 剣の腕が立つ傭兵。

 ある目的を背負いディゼルやアルジェント達と行動を共にする。武人らしい気概を持ち、己と対等に渡り合える強者を前にすると 普段では見せない笑みを浮かべて戦いに挑む。おもにディゼルやアリスをからかう役。


“支配の少女”アリス

 ディゼルと同じ指輪をした謎の少女。

 ディゼルと出会うや否や彼をある場所に連れて行くことを第一に行動を行なう。

 また出会い頭、速攻ディゼルの 唇を奪って(血を飲ませて)奴隷にしたヒロイン。ディゼルいわく「小さい幼女の子」。


“ニート”ダグラス=フォン=シュヴァルスト

 故郷を失い孤児となったディゼルを拾い、育ててきた彼にとっての父親代わりな存在。様々な事に対して深い知識を持ち合わせ、それだけでなくディ ゼルの危機に対し、それまで見せたことのない強大な天力を放ち、彼の窮地を救う。容姿端麗、頭脳明晰、冷静沈着と非の打ち所のない人物だが、 全く働く気がなく、ニートである。



■意志ある者への標編

 エルレザ暦917年にて“王国”と呼ばれる場所で起った物語。

 人器計画と呼ばれる“究極の人類”を生み出す計画にて生まれた「被検体WP-003」 がイクスと呼ばれる男と出会い、その後様々な人物と出会い、共に戦い合う中で己の存在と“王国”に施された螺旋の運命を解き放つまでに至る人 が生きるという意味を標す物語。


“意志ある者への標”セス=ノルト

 “王国”の人器計画にて生まれた失敗作「被検体WP-003」。

 能力に見切りをつけられ廃棄される寸前、生きると言う意志に従い研究所より脱走。そ の後、イクスという人物と出会い、その中で人が生きると言う意味と過去を想い出にすることで未来に進める強い意志を己で見い出す。

 物語の最後にて「夢幻の創生ファントメア」の持ち主により“王国”の歴史が無限に繰り返されている事実を知り、その運命を変革できる唯一の能力“真・人器能力”を覚醒させて遂に過去に捕らわれた世界を未来の道へと進ませた。

 本来は失敗作であったはずの彼が“真・人器能力”を発動出来 たのは特別な素養や能力でもなく、未来を切り開く意志の強さ、“人が持つ強さ”故であったろう。


“四天の覇者”イヴリス=ゲオルディウス

 “王国最強”と謳われる天術使い。

 その実力はエル=ユーナでも有数のトップクラスの能力を誇る天術使い。

 「陽」「雪」「水」の三つの属性を持った 異才の人物。

 しかし彼は本来四つの属性すなわち「陽」「雪」「水」「風」を持った歴史上でも最多属性の持ち主であった。

 普段は強力すぎる己の属性 力を抑えるため「風」の属性は指輪へと封じている。

 イクス=ノルトの親友でもあり、彼を一騎打ちで倒した人物。


“風の座”IF

 マクスウェルの第十二被験体。

 目覚めた瞬間よりルーザという少女と出会い、彼女と過ごす日々に自分がイフという人物のコピーだけではないと悟り、王国からの使者ロクゴウとの戦闘で自分の存在理由を見い出す。


“標を導く者”イクス=ノルト

 “王国”にてその名を轟かせた最高位の天術使いであり人器計画の基盤を作り出した王国中枢を支えた人物。

 しかしやがて人器計画の過ちに気づき研究所より脱走した「被検体WP-003」を拾い彼を連れて王国より逃亡する。

 後にセスに己の意志と生きた証をその胸に託し、セスを逃すためにイヴリスとの一騎打ちの果てに死亡する。

 しかし物語最後において“この世の影” シェイドによる死者蘇生(延命)術により再び世界に黄泉還り、セス達の前に現れて王国に掛けられた「夢幻の創生ファントメア」の呪いとそれを打 ち砕く手段を伝える。

 また黎明を告げる者編ではまだ王国に所属して人器計画についての研究を行なっていたイクスの姿が見られた。



■聖地の守護者編

 エルレザ暦919年にて起った物語。聖地アルアデックに渡った三人の英雄たちが知る世界システムの根幹とエル=ユーナの未来の物語。

 人知れず“偽りの変革者”を打ち倒した知られざる英雄たちの伝承歌。


“聖地の守護者”フォウル=テンペスター

 聖地の守護者編の主人公。

 探求心に溢れる若者であり、その正体は神王クレイムディアが残した最後のフラグメントにして聖地の守護者。

 世界システムに干渉できる数少ない人物。

 クーアと共に辿りついた聖地にて己の真の役割に気づき、マクスウェルによって生み出された第三被験体にして最強の能力者“偽りの変革者”を倒すべく激戦をくり広げる。

 現在は“偽りの変革者”との戦いで全ての干 渉力を使い果たし、干渉者としての力は失っている。


“戦神の狼”ジラフタン=レオパルドウルフ

 ライカンスロープの青年にして伝説的傭兵家であり探求者。

 クーアの故郷を探すと言う些細な目的をきっかけにクーア、フォウルと共に旅をする。

 鍛えぬいた動体視力と反射神経、さらには無数の戦場で積んだ“経験”を武器にあらゆる強敵を粉砕。

 聖地に辿りついた際、フォウルが干渉者として覚醒を果たす際の間、一人で“偽りの変革者”と戦い自力で世界システムの牢獄から抜け出すと言う 荒業を披露する(本人曰く気合い)。

 現在も探求者としての旅を続けており一攫千金が己の野望らしい。


“変革者の欠片”クーア=フェルール

 故郷を捜し求め、旅をするイルフェーナ。

 フォウル、ジラフと共に旅する中で遂に己の故郷・聖地へとたどり着く。

 その聖地にて己が不完全な変革者システムを宿した変革者候補である事を知り、“偽りの変革者”にその体を乗っ取られる。

 フォウル、ジラフ二人による叫びと自身の中にある希望を信じる想いにより“偽りの変革者”をその内の中で完全に滅ぼす。

“偽りの変革者”によって世界システムが崩壊しつつある時に己のなかに僅かに残った変革者システムを利用してシステムの修復を行なう。

 これ以 後、彼もフォウル同様に干渉者としての全ての力を失う。

 現在はセファナード教国の第十加護騎士として多くの人々の治療に勤しむ。


“偽りの変革者”

 世界システムの最高位の一つでもある“変革者”を再現するべく“干渉者”の肉体の一部を持って生み出された歴代で最も強大な能力を持つマク スウェル被験体。

 しかし、そのあまりの能力の強さゆえに肉体が耐え切れず崩壊。

 以後は死亡と記され、歴史の闇に葬られるが魂となってなお、その意志は失われず己自身の能力で己の死者蘇生(延命)を行い現世に留まり続けていた。

 自分の肉体に相応しい存在を探し求め、その結果クーアという器を手に遂に完成体として再誕する。

 五大魔王すらも凌駕する能力を用いて自身の望む世界を創り上げようと行動を起こす。



■魔核の所持者編

 エルレザ暦921年にて起った物語。

 旧三将騎でもあるオゼロスの裏切りに始まり、彼を抹殺するために行動を行なったサリスと彼が出会う少女クリ ームとの物語。


“神童の御子”サリス=バーヘル

 旧三将騎の一人。アバドーン命によりオゼロスの抹殺を行なうが、その旅の途中でクリームと言う少女に出会い、彼女との出会いが彼に救いをもたらすこととなる。


“格闘娘”ハリト=モリス

 やったらテンションの高い格闘娘。

 かつてオゼロスに傷を負わせたことのある因縁の深い人物であり、再びオゼロスが行動を起こしたと知り奴を倒すためにサリス、クリームと共に行動を同じくする。

 ダルト=モリスの妹。


“雲の使い手”クリーム=シルフィルド

 地脈「雲」を生み出した人物でもあり、剣技の才に満ちた女性だが、のんびりとしたかなり天然な性格。

 後にサリスと出会い、彼の生涯の伴侶 となる。



■死の継承者編

 エルレザ暦923年にて起った物語。

 フォブリアを支配する死の王とそれを打ち倒した三人の英雄の物語。


“死の継承者”イオス=ヴァルムオンド

 死の継承者編の主人公。

 贄の刻印を刻まれた死の王レオードの餌として選ばれた存在。

 自分の出生や生い立ちに呪いを感じ、父を越える事に己 の全てをつぎ込む。

 死の王レオードと四柱との戦いの中でセクエンツィアや仲間の助けにより希望と言う道を見い出し、死の運命を克服した英雄。


“シュヴァルストの剣”リザベラ=ヴェストローネ

 別名シュヴァルストの剣を冠するエデン随一の剣の使い手。

 幼い頃に両親を殺されその仇を討つために力を求めシュヴァルストの剣となる。

 やがてシュヴァルストの命によりイオスの護衛を行い、その中で己の仇と向き合う事となる。


“零の騎士”セレナス=グラングーレ

 もとはただの貧乏貴族のお子ちゃまだったがテラスト王国最高の騎士グラングーレ家の養子となりその運命が大きく変わる。

 神器“絶斧”の継承者となり、テラスト王国の危機を救い、イオス達と共に時代の希望を切り開いた英雄騎士。

 またテナとの出会いもここで果たされる。



■命尽き果てるまで編

 エルレザ暦924年にて起った物語。

 エデン最悪のクーデターと同時に命刀、蒼剣による因縁の戦いの物語。


“命刀の担い手”メドウ=グレイン

 命尽き果てるまで編の主人公。

 強い正義心の持ち主であり、かつて自分の命を救ってくれた人物に憧れ、彼のようになるためにエデン帝国の騎士となる。

 やがてウェルファス=ワールグースが企んだ計画によりその憧れの人物スペンサーを失い、それをきっかけとして命刀の所持者となる。

 シアとは師ウェルファスの下で戦い続けた戦友同士。

 お互いに不思議な因縁を感じた仲であり、やがて両者の因縁は物語の最後においてクライマッ クスを迎える。


“双閃の翼”レイア=アーヴィング

 エデン帝国に所属する騎士の一人。

 本来なら上級席隊クラスの能力を持つ人物であったが、あえて上に立つような真似はせず相棒のシルヴィアと 任務をこなし続ける。

 物語の序盤にて自らの半身(翼)と言っていい存在であったシルヴィアを失うも、彼女から残された想いを胸に自らの本当の実力 を発揮して物語に挑む。

 サクリードチルドレンの一人リウを戦いの中でお互いに深い絆を築く。


“愛の狩人”アルス=ノヴァ

 アリスに拾われ、そのまま彼女の隊の騎士となった少女。

 その正体はウェルファスによって作られた二番目のサクリードチルドレンにしてエデンを内 部から破壊するために送った駒。

 物語中盤においてウェルファスの意志により体の支配を奪われ、大切な存在であったアリスをも傷つける。

 しかし最後の瞬間にはウェルファスの支配を断ち切り、彼の野望を阻止した人物の一人となる。


“蒼き担い手”シア

 命尽き果てるまで編における重要人物。

 メドウと共に戦い続けた戦友であり、ある意味この物語を語る上で外せないもう一人の主人公。

 その正体はウェルファスによって創られた最初のサクリードチルドレン。

 そのため、彼の寿命は他のシリーズよりも短く不完全であり、この物語の時点においてすでに命尽き果てる状態であった。

 しかし最後の瞬間において、自分の生まれた意味や存在の理由を見つけ出し、メドウとの熾烈な戦いを繰り広げる。



■蒼い世界の回し方編

 エルレザ暦924年にてレオノス王国を中心にて起った物語。命尽き果てるまでにて蒼剣が無事にレオノス王国にて返還されてより一月後、新たに 蒼剣に纏わる物語が奏でられる事となる。



■零の騎士編

 エルレザ暦925年。エデン帝国にて白王座第六階位“双牙の王”フラウザーによる裏切りを発祥として後に世界を滅亡に追いやるレギオンの扉の降 臨とエル=ユーナの歴史に零の騎士として伝えられるセレナス=グラングーレの物語。


“零の騎士”セレナス=グラングーレ

 零の騎士編の主人公。この時15歳。

 テナと共に旅をする英雄騎士。

 テラスト王国にて発祥したレギオンの扉を喰い止めるために翼弓と封魔の矢を持って レギオンの扉を封印する決意をする。

 やがて物語の中で出会った少年レオンこそがレギオンの扉を開く元凶と知り、最終的に10億のレギオンと同化 したレオンを絶斧に乗せた聖歌にて打ち倒す。


“ユーア隊第八席”ミスト=ディアス

 かつてエデンにて存在した最強の格闘者を兄に持つ人物。

 その兄こそがフラウザーが生涯かけて追い求めた彼の目標であった。

 数年前に兄が死んだとフラウザーに聞かされ(この時、フラウザーはあえて自分が仇のような描写を行った)以後フラウザーを倒すために拳の腕を磨 き憧れのユーア隊に入る。

 エデンに対して反旗を翻したフラウザーを討つべく任務を遂行し、その途中でセレナスをはじめ多くの人物と出会い、最終 的にレギオンの扉の向こうにて最終決戦を行っていた際に、自分を庇って死んだフラウザーに対し、彼が誰よりも自分や自分の兄の事を想っていたと 理解し、自身もまた兄やフラウザーの意志に報いる為に格闘者としての道を貫く覚悟をする。


“封魔の矢の守護者”ユージーン=ムジョウ

 かつて封魔の矢を護る一族として育ったが、その集落がリリアンと金色の瞳を持つ男(レオン)の手により奪われ、妹と自分の命を失う。しかしその 直後オルランドと言う人物によってサクリード・チルドレンとして処置を行い命を拾う事となる。以後はオルランドを師として彼と共に魔族討伐を行う旅を 続ける。物語の途中でレギオンの扉を使い、人類に対し多大な犠牲を払うが、その結果として魔族を滅ぼし人類の未来を護ろうとするオルランドとの 決別を行い師でもあった彼と刃を交える事となる。

 最後に選んだ道は違ったが、師が世界と人類を救いたいと願った心に偽りは無いことを知ったユージーンは、オルランドの意志を継ぎこの世界に存在 する魔族を打ち倒し、人々が平和で安心して暮らせる世界を築く事を誓う。

 また彼がいなければフラウザー戦でPCは全滅していただろうともっぱらの評判。


“翼弓の加護を受ける者”ルーン=ラグナス

 翼弓の現所有者であるルゥ=ラナの幼馴染。彼もまたルゥやロトゥス達と共にレギオンの扉を封印する旅に出る。実は彼もまた翼弓の担い手たる 素質を持つ(とは言ってもルゥとは比べるまでもない程度であり、引き出せて10%程である)。物語終盤、傷ついたルゥの代理として翼弓を持ち、レギ オンの扉を破壊する決意をする。そして見事、セレナスと共に1000年に渡る世界システムの歪みに終止符を打った。


“フラウザー隊第一席”レオン

 零の騎士編のラスボス。

 本来はフラウザーの片腕でもあり第一席でもある少年。

 その正体は魔王の呪い【狂戦士の瞳】の正統後継者。

 幼い頃にその呪いのせいで両親から迫害を受けており実の妹でもあるテナ(セレナスの妹テナと同じ名前)をこの世の何よりも大事にしており、妹のテナだけは護ると誓うも、自身の呪い【狂戦士の瞳】の暴走により両親だけではなく、妹すらもその手で殺害し、自分を含めた全てに絶望する。

 物語の中で出会ったセレナスとテナに自分が歩けなかった未来の姿を重ね、二人に執着するようになる。

 物語の中盤で開かれた10億のレギオンの喰われるも、その強靭な意志により逆に10億のレギオンを喰らい尽くし全てのレギオンと同化し、その統治下に置く、世界を滅ぼそうと行動を起こすも、セレナス達との壮絶な戦いの末、その命を落としセレナスに対して遺言を残し、10億のレギオンと共に消滅する。


“フラウザー隊第二席”リリアン

 レオンに心酔する少女。

 魔族と人間との間に生まれたハーフであり、その為、幼い頃から虐待を受け過酷な環境下で生きてきた。

 その後、自分と同じ境遇を 持つレオンに拾われ、彼の為に生きる事を決意する。

 魔族の血が流れている為に彼ら特有の力“魔術”を扱い、その類稀なる戦闘能力により、 八王の中でも戦闘部隊に特化したフラウザー隊の第二席にまで出世する。

 ユージーンの故郷を滅ぼした張本人であり妹を殺害した仇。

 最後の瞬間まで彼女は世界を滅ぼそうとするレオンに付き従い、彼の為に命を落とすも、そこに一片の迷いも悔いもなかった。



■春の剣聖・プリマヴェーラ編

 エルレザ暦925年。

 春の剣聖として目覚めたルティと彼女を抹殺するため目覚めた不敗の覇王フォルクスとの世界を賭けた死闘の物語。

 その旅の中でルティは多くの人たちの運命と世界の知られざる事実を突きつけられる事となる。

 だが、その果てに彼女は自分と同じ希望を抱いた人物との邂逅を果たし、黄昏の未来を切り開く希望を生み出す。



■汝、誰が為の剣とならん編

 エルレザ暦926年。

 アルレシオ公国にて自身を取り巻く全てから逃げてきたトラニアが教会に住む神父アゼルと少女サリエと出会うことより始まる。

 遠くない未来「虹瞳の姫」という魔族によって大陸が滅ぶという運命を越える物語。


“紫紅の翼”トラニア=フォーフォックス

 汝、誰が為の剣とならん編の主人公。国によって人為的に能力を上げさせられた天術使いであり、虹瞳の姫に対抗するために生み出された「対抗 存在」。

 未来よりやってきたトラニアより虹瞳の姫による災厄とそれを防ぐための手段を聞かされ、運命を切り開く道を選択する。


“聖皇騎士”オード=カージェス

 アルレシオ公国にて存在する最高騎士位に冠せられる称号“聖皇騎士”の少女。

 やや腹の黒い小娘だったが後半ではただの萌えっ子になった。

 槍術の才に冴え渡るのがそれを凌駕する海鳴術を切り札とする。


“亡国の騎士”グイード=カージェス

 元は亡国の騎士であり、ただ生き延びるために落ち延びた騎士崩れ。

 トラニアと出会い、彼と少女サリエを護る事に自身の騎士としての最後の誇り を見い出す。

 オードの兄貴。必殺技は「通常攻撃」。



■希望の軌跡編

 エルレザ暦929年。

 エル=ユーナにおける一つの時代の終わり、エスペランサー無印最後の物語。

“確定されし滅亡”に挑む世界最後の希望を背負った者達の終焉の物語。

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