東京地下鉄《ダンジョン》こわい

 虚構が入り混じった現実世界にて、東京を取り戻すべく主人公たちAROUSER≪アロウザー≫がモンスター《ARC》に立ち向かう! その肉体と魂をかけて! そして、虚構と現実の間にあるTYOKYOで、主人公がみる真実とは?……というストーリー。

 ちょっとした行動描写や戦闘描写がいい感じに光っている。想像しやすく、緩急などの勢いも十二分にある。東京に行ったことがない人間でも、なんとなくイメージ像が出来上がる。これだけでも、シビれる感覚がある。

 しかし。
 この物語はそれだけではない。これは主人公の陽那とその魂を賭けた戦いである。彼女と妹の心理描写もぐっときた。

 伏線や盛り上がりもしっかりと、30,000字前後でうまく収めた作品に仕上がっている。


 気になった方は、ぜひご一読を。

(余談:
 東京の路線図がすでにダンジョンだと思う田舎者(私)は、「本当にダンジョンにしやがった……!」と震えずにはいられなかったです。東京こわっ)

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