(17)洗濯機(みづき視点)
仙太郎の部屋に行くと、揃いの作業着を着た男どもと入れ違いになった。
妹さんですか、かわいらしいですねなどと無礼なことを言って去っていた後姿から仙太郎に視線を移す。
「何だあれは」
「電器屋さんだよ。うちの父からのクリスマスプレゼントを運んできてくれたんだ」
何だ……? ふにゃふにゃとやたらうれしそうで気色悪い。
「電器屋だろう? いったい何を貰ったのだ」
「ふふっ、ドラム式の洗濯機だよぉー」
「どらむしきの、せんたくき……?」
「ふふふふふっ! ずっとほしかったんだ!」
「そ……そうか」
「あ、みづきさん! わかってない、わかってないでしょ? いいよ! これからじっくり語ってあげるから上がっておいで!」
仙太郎は時々妙に強気だ。
――そして、私は洗濯機に少しだけ詳しくなった。
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