前半のノンフィクション部分に号泣させられました。
この気持ちは人の子の親になればわかると思います。
頑張ってる子たちは見守るしか出来ないですし、
彼ら彼女らの精一杯を込めてやり切ったのなら、
例え勝者になれなくても、
主役になれなかったとしても、
悔いがあったとしても、
全ては燃え尽きた青春のとある日に、
涙という形となって、その先の人生を歩んでゆける糧となる事でしょう。
それは涙という形ではあるものの、
貴方達が悩んでもがいて走り抜いた、紛れもなく青春を謳歌した証なのだから。
そんな我が子以外にも送ってあげたくなる、溢れ出る温かいメッセージに胸が打たれます。
また、後半は若者の読者向けに書かれたエッセイのようですが、
前半の体験を汲んで問いかけるように語りかけます。
息子、もしくは娘に読ませたいなぁなんて思ってしまう、青春の指南書とでも言いましょうか。
語彙力がない私では、適切な表現が難しいですが、
全ての迷いを包み込むような
どこまでも続く澄んだ青空にも似た優しい母性によって綴られた
たくさんの子どもたちの幸せを願う気持ちが、出来るだけ多くの方に届きますよう。
そんな祈りを込めつつ、
素敵な作品を描いてくださった事への感謝も込めて、レビューと代えさせて頂きたいと思います。
何かに打ち込む人、頑張る人。これから何かに立ち向かっていく人。
自分の身の回りにいる大切な人への、青空のように広く、奥行きの深いエール。
シンプルな言葉で綴られたこの作品の中には、そんな胸の熱くなるような思いがギュッと濃縮されています。
サッカーの試合で、てっぺんまで上り詰めることのできなかった男の子たちの涙。その熱や痛みがとめどなく吐き出され、仲間同士を支え合い——やがて訪れる爽快感。
全力で戦い合う。チームや個人に関わらず、熱い想いをぶつけ合うこと。夢中で努力を重ねた後にだけ味わえる、様々な思いが溢れ出す涙。
そんな素敵な経験がある人にも、まだない人にも——作者は、全力で頑張ることの素晴らしさを優しく分け与えてくれます。
何かに向けて、全力でぶつかってみたい——そんな気持ちにならずにはいられない。若々しく熱く、そしてなんとも言えない爽快感に溢れた、素晴らしい作品です。
敗北により、惜しくも学校生活最後の試合となってしまった3年生。
試合後の彼らの様子に、母親として感じたこと、思ったことを綴ったエッセイです。
約3000文字でサクっと読めてしまいますので、ここであまり内容は書かないようにしますが、
現在、部活や創作活動など、何かに打ち込んでいる方。また、過去何かに打ち込んでいたという方には是非読んでいただきたい作品です。
努力してきた日々や経験の素晴らしさと同時に、そんな自分を見守ってくれている人の有り難さを改めて気づかせてくれますよ。
応援してくれた人に「ありがとう」の言葉ぐらいのお返しはちゃんとしないとですね。
(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=カクヨム運営 T.K)