この物語で使われる言葉ひとつひとつは、誰もが一度は口にしたことがあるでしょう。今はどうですか? 使っていますか?私たちは世界でも有数の、とても美しい言語を操ることのできる民族です。でも使われずに錆びついてしまった言葉は、とても多いように思います。そんな宝石のような言葉を、丹念に紡ぎながら描かれた物語。幻想的な細やかな水彩画を観賞するようにご覧ください。そして、勇気をもらってください。いつでもあの頃の風景は、私たちを励ましてくれますから。
かつて屋根裏部屋から見た月と、小さな思い出。人は皆、心の支えになるイメージとともに生きているのだと思います。
話の中にある主人公の生活が変わるとき、それを象徴するのがタイトルの通りの月。見事にはまるタイトルだと思います。とても寂しくて、悲しい月。パチッと嵌った時代の主人公の移り変わりを感じました。
心の底に静かに居座り続ける風景とそれにまつわる思いをきれいに描き出しています。 情景描写が美しく、少女の思い出がとても鮮やか。 誰もが持っている心のアルバムを、そっと開いて見せてもらいました。 月明かりに照らされた風景が目に浮かぶようです。 風もすごく上手に使われていると思いました。
誰もが幼い頃に大切にしてた気持ち、心の拠り所でもあったと思う。忘れてた気持ちを思い出しました。
情景描写がたいへん美しい作品でした。というか、ぱっとイメージが浮かぶような比喩、語彙や表現の豊かさに支えられた描写は、単なる情景描写を飛び越えて、語り手の心象風景として浮かび上がってきたように思います。そのため作品全体が優しい空気感に包まれていて、ラストの言葉がすっと入ってくるようでした。
すごい感性だな~素晴らしいと思いました。「月」には私も思い入れがありますが、私のは刺々しい。私には見えなかった「月」に出会えた気がしました。
うっとりとため息をつきなくなるような、とても美しい情景描写が特徴の作品です。かつて暮らした街。かつて住んでいた家。引っ越し経験者の私も、あの窓から見えた景色は、子供時代の思い出とともに、今も心のアルバムにストックされています。★★★★が特に好き。みなさんも、美しいRAYワールドに浸られてはいかがでしょう?
はじめまして!生意気にもレビュー書かせていただきます。私は小説に良い悪いの判断は無いと思います。如何に描写を想像でき心に残る言葉があるか・・・本作品は私の人生と少しラップさせて読ませていただきました。「忘れないで。忘れなければ、必ず会えるよ。」このせりふに夢・希望・勇気などなどを覚えました。現実はありえないかもしれないけど・・・私の心を落ち着かせてくれる作品でした。又、他の作品も読ませていただきます。
その場にいるような気持ちになり共感できる、それは間違いなく「面白い小説」なんだと思う。内容は切なくて、胸に迫る情景に心と目頭が熱くなった。伝えたい思い忘れたくない願いしっかりと受け取ったぜ。
誰にでも訪れる別れ。その時に何を思ったのかでその後の生き方が変わることもある。そのような普段は意識しない精神の深淵部を覗いてみたくなる作品。読みやすく的確な描写がとても素晴らしいです。
どんなつらいこと嫌なことも心の中の思い出でまたそのころの自分に戻れる。それだけで頑張れる気がしますね。
静かにゆっくり、心を照らしてくれるような作品でした。自分の体験ではないのにどこか懐かしさを感じる表現が秀逸。他の作品も読みたくなりました。
自分ではどうしようもない生活の変化幼ければそれが深い傷にもなるこの少女にとっては大きな不安の要素がいっぱいであったと思うどんなにつらくても一時の幸せのときを忘れずにいたら・・・・何度も何度も再現したら・・・きっと会える少女の微笑みが見えたように思いました
金の話は家族でも嫌なものです。今日、そんな話があって、家族がギクシャクしており、そんなときに読んでしまいました。いつかまた……そんな心象の月にまつわる物語。