話の中にある主人公の生活が変わるとき、それを象徴するのがタイトルの通りの月。見事にはまるタイトルだと思います。とても寂しくて、悲しい月。パチッと嵌った時代の主人公の移り変わりを感じました。
情景描写がたいへん美しい作品でした。というか、ぱっとイメージが浮かぶような比喩、語彙や表現の豊かさに支えられた描写は、単なる情景描写を飛び越えて、語り手の心象風景として浮かび上がってきたように思…続きを読む
うっとりとため息をつきなくなるような、とても美しい情景描写が特徴の作品です。かつて暮らした街。かつて住んでいた家。引っ越し経験者の私も、あの窓から見えた景色は、子供時代の思い出とともに、今も心…続きを読む
誰にでも訪れる別れ。その時に何を思ったのかでその後の生き方が変わることもある。そのような普段は意識しない精神の深淵部を覗いてみたくなる作品。読みやすく的確な描写がとても素晴らしいです。
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