サイコロと辞書で作る怖い話

不作為に選んだお題をベースに、非常にクオリティが高い物語を生み出す発想力、そして作者様の上質な文章力が存分に発揮されている短編連作シリーズです。

短めの怖い話、不可思議な話をご所望の方は必見です！
大変素晴らしいです！！

程よい不思議さ。まあホラーに分類するしかないでしょうけど、怖くないので安心してください。真面目に考えると怖いのもあるはあるけど。

こういう謎の話が好きなんですが、このシリーズの際立った良さは、登場人物が基本的に呑気というか、怪異譚をわりと素直に、まあそういうこともあるよね人生、って感じで受け止めてるところだと思います。まだ途中ですが、ぼちぼち読んでいきたい魅力に溢れてます。

実話ふうなのがまた良いですね。少しずつ読めて丁度いいです。

そんな気がする様な、実話風の短編集です。
この短さだからこそのホラー感があります！

辞書で拾った単語でここまでできるのか！
ヨム人だけでなくカク人にもお薦めしたい。

タイトルには怖い話とありますが、
「人が怖い話」あり「ちょっと不思議な話」ありの、ホラーとしては広義なものです。
一話もおそらく５００～７００字くらいと短いものなので、すらっと読めます。

普段なかなか使わないような単語も入っているので、
苦しい場面も散見しつつも気になるほどではありません。
むしろよく組みこめたな、と感心します。
怪異に遭遇する人々も十人十色で、偏りがないのも面白い。

現在二百話を超え更に増えていますが、一気に読む必要はなく、
むしろ日々少しずつ楽しみのように読むのもいいかもしれません。

怖い話っていろいろあると思うんですが、現在多くのホラー小説が長編である事に対し、この小説は1話完結型、つまり読み切り小説なんです。
本来怖い話って人伝に聞く体験談が元で、なのでオチも無く、映画の様なビックリする怖さでもない。
あくまでもリアルな怖さ、本来の怖い話を求めた作品だと思います。
「うわっこええええ！」よりも「えっ怖っ」と思える世界を是非とも体験してみて下さい。
オススメです。