普通でないからこその、日常

美しい文章で綴られる、何気ない日常の物語が、不思議な魅力を放つ作品です。

幽霊が見えるとはいえ、主人公は受験を控え、友人や家族もいる普通の学生。
でも、だからこそ、この物語でなくてはならないのだと感じました。

主人公が普通なら、幽霊もまた、普通の人間であったもの。
しかし、それであるがゆえにその境界は非常に危うく、派手な事件や特別な背景がないからこその、日常と隣り合わせの魔の領域があぶり出される、そんな作品です。


個人的には「供養版」が好きですw

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