幽かに灯る

作者 きづ柚希

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★★ Very Good!!

美しい文章で綴られる、何気ない日常の物語が、不思議な魅力を放つ作品です。

幽霊が見えるとはいえ、主人公は受験を控え、友人や家族もいる普通の学生。
でも、だからこそ、この物語でなくてはならないのだと感じました。

主人公が普通なら、幽霊もまた、普通の人間であったもの。
しかし、それであるがゆえにその境界は非常に危うく、派手な事件や特別な背景がないからこその、日常と隣り合わせの魔の領域があぶり出される、そんな作品です。


個人的には「供養版」が好きですw

★★★ Excellent!!!

 非常に高い文章力。しかもただ上手いだけでなく、味わい深さがあります。繊細で綺麗で、とっても魅力的な文体です。

 そんな文章で綴られる物語は、切なくて儚くて、でもそんなところが素敵です。会話もセンスがあります。
 読み終えた後、まるで夏祭りの花火を見た後のような、寂しくて名残惜しくて、でもどこか爽やかな、そんな気持ちになりました。

 出版されている作品と遜色ないクオリティだと思います。この作品は、もっと評価されるべきです。文学系の賞に出したら、おそらく入選するんじゃないでしょうか。
 是非ご一読を! 読まないと損しますよ!


 

★★★ Excellent!!!

 もの悲しい幽霊話が、短くまとめられていて、その短い中にもちゃんと起承転結とオチがあり、ウマイ! 思わずうならされました。学生さんとプロフにありましたが、文学部の方でしょうか? その若さでこの完成度、まさに幽霊を見たような気分です。大げさかもしれませんが、少しラフカディオ・ハーンを思い出しました。タイトルも秀逸。センスを感じました。

★★★ Excellent!!!

夏にふさわしい怪談物語です。
序盤の夏の描写がとてもよくて、一気に引き込まれました。
今読むのがいい作品です。秋になってからでは遅いですよ。

形式は短編連作風味となっています。
1話1話が短めで、とても読みやすかったです。

僕個人としては、二幕と八幕が好きです。
この物語の魅力を一言で表すとすれば、切ないハッピーエンド、でしょうか。
そういった雰囲気が好きな方には、ぜひおすすめしたい作品です。

★★★ Excellent!!!

ホラーは怖くてあんまり読まないんですわたし。
でも、タイトルがわたしを呼ぶので、仕方なく(すみません。。)読んでみたら、
第二幕できゅんとして泣きそうになりました。
そして思ったのは、ホラーってどうしようもなく切ないものかもしれないな、ということです。なんとなく感覚的にそう思いました。重さに切なくなって、ときどき背筋が涼しくなる。静かに、でもごうごうと流れる川みたいな。

技術としては、地の文が繊細で惚れます。
映像化してもおもしろそう。

夏の暑い夜のお供となりそうな、そんな作品です。