小説の中にもタバコの件などで出てきますが、もう既に、こういう倫理の逆転がかなり起こっていますよね。今正しいとされている事が、以前はとんでもだったり。。民主主義って、多数派が正しいという概念ではないんですけど、錯覚しがちです。私は嫌煙家ですが、映画やアニメの中に出てくる喫煙シーンは好きです。真似して吸ってみたいと何度も思いました。でもきっと実際にタバコをコンビニで買ってきて、家で1人で付けてみても、やはりこの小説の主人公のように、「わからない」んだろうと思います。客観だからこそいいものもあるのかな、と。それでもタバコを吸うシーンはやはりいつ見てもカッコイイ。何が言いたいのか自分でもよく分かりませんが、とにかく、“これは私(全ての人類)のことだ”と猛烈に感じました。つまり、感動しました。読んでいたら、頭の中に映像が出てきました。中盤まで主人公が女性で若いということがわかりませんが、私の頭の中では、冒頭から主人公は若い女性でした。少しびっくりしました。きっとこれから何度か読み返したくなる小説です。色んな人に、薦めます。枕目さんの他の作品も、お金を出してでも読んでみたいです。
今自分たちにとっての当たり前というものを改めて考えさせられる作品でした。
自分にとっての当たり前というのはずっと昔から当たり前だったわけではない。また、自分にとっての当たり前を受け入れられない人もいる。
そんな「当たり前」を気づかせてくれるような内容であったと感じました。
この感覚はこの作品を読んでみなければわからないでしょう。
また、文章力も高く表現が読んでいて引き込まれます。簡潔で、それでいて奥行きのある表現が心地よい。SFでありながら、世界観を理解するという難しさを感じさせない、引き込むような文章でした。
誰かに読んでほしい。素直にそう思える作品でした。
こんな素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございます。