倫理の波に呑まれれた悲劇

主人公の女は生きるための殺生を禁忌とする世界の流れに翻弄される。

この世界の倫理観は海の干満の様にゆっくりと、打ち返す波の様に小さく変化し、その変化にのまれるもは悪とされていく。

主人公の愛猫、フォルカスの登場からの展開は、悪とされ波にのまれた者たちの魂の主張を感じることが出来ます。

激しい口論では無く、冷たく淡々と語られる様子は、ホラーのようで目が離せません。

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