終わりに
終わりに 作者からのささやかな願い
発達障害に関して色々と述べてまいりましたが、最後に私にとって思い出に強く残っている出来事を紹介します。
私が以前とある集まりでアスペルガーであることを告白した際「勇気あるカミングアウトでしたね」と主催者から言われたことをいまだに覚えています。
はっきり言って私にとってはアスペルガーの告白は「私、実は目が2つあるんです」とか「私、実は2本の足で歩いたり走ったりできるんです」というレベルのごくごく当たり前のことで勇気を出した覚えは全くありませんでした。
ただ発達障害特有の言動のおかしさを誤解されたままでは今後の付き合いに悪影響が出る可能性があったのでそのリスクを回避するために言っただけなんです。
それなのにこの扱い。別にカミングアウトした勇気を称賛してほしいわけでもないし、ましてや一部の優秀なADHDやアスペルガーの偉人の仲間入りをしている、というプライドもありはしません。
私はただ、ほかの人と同じように「普通」でいたいだけなんです。他の人と同じようにただ泣いて、笑って、毒づいて、偉い人の不祥事を見てはけなして、芸能人のスキャンダルにああでもないこうでもないと意味のない感想を言い合って……ただそれだけなんです。
私にとってADHDやアスペルガーである事は「あっそう」と軽く流してほしいことだと思っています。個人的には理想の未来と言われれば、ADHDやアスペルガーへの理解が進んでそれを持っていることが病気として認知されず、普通の人とそれなりに仲良くやっていける世界を望んでいます。
そんな世の中の実現のために小さじ一杯、いや耳かき一杯でもお役にたてれば、作者としてこれ以上の喜びは無いなと思っております。
とはいえまだまだADHDやアスペルガーは「異常な」事だという認識は強いです。
もしあなたがこれを見て何個も当てはまるような事があったら、またはあなたの周りにそれっぽい人がいたら、早めに心療内科にかかる、あるいは連れて行くことをお勧めいたします。
医者による治療は医者のピンキリはありますがおおむね良い方向へと進んでくれます。発達障害は放置したら放置しただけ悪化する病気なので出来るだけ早く、それこそ可能なら子供のうちから通院させることをお勧めします。
どうか一人でも多くの方がADHDやアスペルガーに理解を示してくれることを祈りつつ今回はここで筆をおくことにいたします。
最後までご清聴どうもありがとうございました。
おわり
アスペルガー+ADHD=大体あがつま ゆい(2018年度版) あがつま ゆい @agatuma-yui
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